2022年の日本の広告費は7兆円を超え、過去最高額となりました。
後押しとなったのが「インターネット広告費」で、前年比114.3%となる3兆912億円を記録し、広告費全体の43.5%を占めています。
その中でもSNS広告は前年比112.5%の8,595億円となっており、今後も成長していくと考えられます。
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本記事ではSNS広告の中でも、TikTokの広告に絞って運用方法をお伝えいたします。
TikTokで広告を出したいけどやり方がわからない、という方は是非当記事を参考にしてみてください。
目次
TikTok広告に注力すべき理由
TikTokの広告の種類と費用相場
起動画面広告
アプリを起動した際に表示される広告のことです。
画像・GIF画像・GIFアニメーションの3種類があり、画像は3秒、GIFは3〜5秒の間表示することが可能です。
費用相場
費用形態 | 広告の表示回数で課金(インプレッション型課金) |
契約単位 | 1日 |
費用 | 770円/1000imp |
想定費用 | 500万円程度 |
インフィード広告
通常の投稿と投稿との間に表示される広告で、表示時間は通常の投稿と同様に5〜15秒間です。
起動画面広告と同様、導線を設置して成果につなげることが可能です。
インフィード広告は通常投稿の一連の流れの中に表示されるため、広告感がなくストレスが低いことがメリットです。
さらに、通常投稿同様に「いいね!」「コメント」「シェア」を行うことができるため、宣伝動画であってもバズる可能性を秘めています。
インフィード広告ではおすすめ投稿を閲覧するユーザーがターゲットとなり、ターゲットユーザーへより効果的なアプローチを行うことができます。
このインフィード広告はさらに3種類に分けることができます。
Top View
アプリ起動時の15秒間にユーザーが一番最初に目にする動画広告を指します。
一見すると起動画面広告と似ていますが、起動画面広告では無音画像が3~5秒流れるのに対し、TopViewは最長60秒で音声付きです。
イベント告知やキャンペーンなど、短期間で高い認知とリーチの獲得を目指したいときには最適な広告と言えるでしょう。
起動画面広告と異なり、ユーザーを選んでの配信となるので、高いCTRが見込めます。
Brand Premium
最大60秒のフルスクリーン動画を表示する広告です。
おすすめ80番目以内に表示されるという決まりがあり、サービスのランディングページやアプリストアへの誘導に適しています。
One Day Max
1日のうちにユーザーが初めて見るインフィード広告で、1回のみ配信されることが特徴です。
最大60秒のフルスクリーン動画が「おすすめ」フィードの4投稿目に掲載されます。
Brand Premiumよりも早い順番なので、見てもらえる可能性が高まります。
費用相場
費用形態 | 期間契約型 |
契約単位 | 1日 |
費用 | ・Top View 625万円
・Brand Plemium 42万円 ・OneDayMax 300万円 |
ハッシュタグチャレンジ広告
動画を流すだけでなく、ハッシュタグを設定することで、オリジナル投稿を促す形をとった広告です。
UGCが増加し、さらにはユーザー自身に拡散してもらうこともできるため、広告感を抱かせずに多くのユーザーに知ってもらうことができます。
費用相場
費用形態 | 期間契約型 |
契約単位 | 2ヶ月 |
費用 | ・スタンダードハッシュタグチャレンジ…1500万円
・ハッシュタグチャレンジプラス…1700万円 ・バトルハッシュタグチャレンジ…2000万円 ・ベーシックハッシュタグチャレンジ…1000万円 |
広告ターゲティングの種類
広告の中でもターゲティングする広告については、さまざまな項目でより詳細にペルソナを設定することが可能です。
オーディエンス | 選択 | 独自の顧客データや類似の視聴者を選択できる。 |
除外 | 独自の顧客データや類似の視聴者を除外できる。 | |
ユーザー属性 | 性別 | 男性、女性 |
年齢 | ・13-17歳、18-24歳、25-34歳、35-44歳、45-54歳、55歳以上 | |
地域 | 国や都道府県、大都市圏、指定の地域 | |
言語 | アプリ言語設定に基づいて設定 | |
興味行動 | 興味 | ユーザーの興味関心に関連して配信できる。 |
行動 | アプリ内での動画やクリエイターに対して行った反応。
カテゴリー別の動画視聴、高評価、コメント、共有。 カテゴリー別のクリエイターをフォローや、プロフィールを閲覧したユーザー。 |
|
デバイス | 通信環境 | WiFi、2G、3G、4G、5G |
OS | iOS、Android | |
OSの バージョン |
システムのバージョン。 | |
デバイス | スマホの機種や型番 | |
端末の価格 | 無制限から1,000ドル以上まで、端末の価格。 | |
モバイル キャリア |
携帯のキャリア |
入札方式
TikTok広告マネージャーでは、現在4つの入札方法を利用できます。
インプレッション課金型(CPM)
CPM方式では、広告の1000回表示あたりでコストが決まります。
予算設定に応じて、多くのユーザーにリーチします。
計算方法は「合計コスト÷インプレッション数✕1000」となります。
最適化インプレッション課金型(oCPM)
インプレッション課金型と同じく広告の1000回表示あたりのコストで入札を行います。
コンバージョン数またはアプリインストールをする可能性が高いと判断したユーザーを対象として広告配信が行われます。
計算方法もインプレッション課金型と同様、「合計コスト÷インプレッション数✕1000」となります。
再生課金型(CPV)
6秒または2秒の動画再生1,000回あたりのコストで入札を行います。
予算設定に応じて動画の再生回数がおおむね決まるため、予算をあらかじめ決めておきたいタイプの広告に向いています。
計算方法は「合計コスト÷視聴回数✕1000」となります。
クリック課金型(CPC)
1クリックあたりの広告コストで入札を行います。
クリックする可能性の高いユーザーに絞って広告を配信するので、無駄が少なくて済みます。
計算方法は「合計コスト÷クリック件数」です。
入札タイプ
入札タイプについては、広告セット作成時の「入札と最適化」で選択できます。
予算配分や広告配信方法などによって、適切な入札タイプを選ぶようにしてください。
入札上限
結果の平均単価を、設定した入札基準以下の金額に抑えたい時に有効なタイプです。
入札する結果の最大単価を入力しておけば、システムで自動的に最適化され、入力された値に基づいた広告配信が行われます。
対応している入札方法は「クリック課金」・「インプレッション課金」・「再生課金」の3種類です。
目標成果単価上限
システム側で達成しようとする結果ごとの平均単価が設定されるため、顧客獲得単価を安定させたい時に有効なタイプです。
ただし、入札額よりも高くなることがあるので、潤沢な予算がある際に使用しましょう。
対応している入札方法は「最適化インプレッション課金」のみです。
最小単価
手動での入札をせず、最小の単価で広告が配信されるようにシステム側が自動で入札を行うタイプです。
管理が非常に楽で、オークション環境がどれだけ過熱していても常に予算を使うことができるというメリットがあります。
ただし、無駄に予算を消費してしまうというリスクもあるため、定期的に費用対効果を確認することが重要です。
全ての入札方法で使用可能です。
TikTok広告出稿の流れ
TikTok広告を出稿する流れをご紹介しましょう。
①アカウントの開設
まずはTikTok For Businessのアカウント開設画面を開き、メールアドレスか電話番号を入力すると、TikTok For Businessから本人確認のための連絡がきます。
本人確認完了後、広告アカウント作成画面にて以下の項目の入力をします。
- 国名
- 業界
- アカウント名
- タイムゾーン
- 通貨の種類
- 電話番号
すべての項目に入力し、利用規約にチェックを入れて登録ボタンを押せば、広告アカウントの開設が完了となります。
その後ビジネス情報の登録を済ませると、広告主審査が始まります。
②タグ(ピクセル)の設置
アカウント開設後は、キャンペーン作成の前に、広告の成果を計測するためのタグ(TikTok広告では「ピクセル」と呼ぶ)を設置しておきましょう。
まず、広告マネージャー画面の上部メニューから「アセット > イベント管理」と進み、アプリ内の計測ならば「アプリイベント」、Webサイト内の計測ならば「ウェブサイトpixel」を選択します。
ピクセル作成画面が開くので、ピクセル名を入力してから実装方法を選んでください。
実装方法は、
- 手動で直接タグを埋め込む方法
- Googleタグマネージャーなどのサードパーティツールを使って埋め込む方法
の2種類があります。
その後、配信予定の広告の特徴に合わせて「イベント設定」と「オーディエンス設定」を行えば、ピクセルの準備は完了です。
③キャンペーンの作成
広告マネージャー画面の上部メニューから「広告」を選択し、「作成」というボタンをクリックすることでキャンペーンの作成が始まります。
まずは、キャンペーンの目的を
- ブランド認知
- 購買意向
- コンバージョン
の3つから選択し、「キャンペーン名」と「予算」を入力すれば作成完了となります。
④広告セットの作成
キャンペーン作成後は、1つ以上の広告セットを作成する必要があります。
以下の5つから選びましょう。
- プロモーションの目的
「アプリ」と「ウェブサイト」の2種類がありますので、該当する方を選択してください。 - プレースメント
配信先を絞りたい場合は手動プレースメント、そうでない場合は自動プレースメントでよいでしょう。 - クリエイティブタイプ
ダイナミック広告の機能をオンにするかオフにするか選択できます。 ダイナミック広告とは、複数の画像・動画・テキストを入稿することで、自動的にクリエイティブの生成を行ってくれる機能です。 - 配信対象
配信対象のターゲティングを行います。 最初の段階では、ターゲティングを絞りすぎない方がよいでしょう。 - 予算とスケジュール
1日あたりの予算と配信スケジュールについて設定します。
⑤広告の準備
広告を打つため、広告用の素材(広告に必要な音楽データ・ジャケット画像・バナー・エフェクトなどの素材)を用意し、動画を撮影する(インフルエンサー・著名人に協力してもらうパターンもあり)必要があります。
ただし動画などは以下のフォーマットの条件があるので、これらを守るようにしましょう。
フォーマットの条件 | |
広告構成 | 動画クリエイティブ + 広告表示画像 + ブランド名/アプリ名(ロゴ) +広告説明文 + CTAボタン |
アスペクト比 | 9:16/1:1/16:9 |
動画解像度 | 540×960px以上 640×640px以上 960×540px以上 |
ファイル形式 | .mp4/.mov/.mpeg/.3gp/.avi |
動画の長さ | 5~60秒の長さをサポート(推奨は9~15秒) |
ビットレート | 516kbps以上 |
ファイルサイズ | 500MB以下 |
プロフィール画像 |
|
広告説明文 | 半角1~100字、または全角1~50字 |
⑥広告費の支払い方法選択
TikTok広告費用の支払い方法は、以下の中から選ぶことができます。
なお、支払い方法は一度設定すると変更することができないため注意が必要です。
- クレジットカード
- デビットカード
- PayPal(手動決済のみ)
自動決済ならば、広告配信費用が一定額に達すると自動で決済されます。
手動決済も可能ではありますが、支払方法がPayPalのみで、かつ入札のたびに決済のための処理が発生してしまうため、自動決済がおすすめです。
クリエイティブで成功するためのポイント
TikTokの動画広告には、その特性を生かした成功の秘訣があります。
動画は縦型で作る
TikTokの閲覧はパソコンでも可能ですが、ほとんどがスマホからです。
そのため、広告動画も縦型が望ましいでしょう。
最初からスマホで撮影する方法が一番手っ取り早いですが、元々横長の動画を編集してスマートフォン形式に変更することも可能です。
最初の数秒のインパクトを大切に
ユーザーは動画広告の最初の1〜2秒で動画を視聴するか否かを判断していると言われています。
そのため宣伝したい内容を伝えて最後まで視聴してもらうためには冒頭でユーザーに興味を持たせられるか否かが重要です。
動画によっては最初の数秒で結果・オチの部分をあえて見せ、興味を引き付けるという方法が有効な場合もあります。
TikTokの流行を意識する
ユーザーがTikTokに期待しているのは面白い動画や新しい発見ですが、その反面「好きなフォーマットに似たものをついつい見てしまう」というユーザーも多くいます。
そのため、TikTokに投稿されているコンテンツや流行りなどを意識し、自社ならではのオリジナリティを少し乗せるとちょうどよくなります。
インフルエンサーを活用する
インフルエンサー、特にTikTokではTikTokerを起用することで、インフルエンサーのファンにリーチすることが可能です。
さらにインフルエンサーを活用することで動画を最後まで閲覧してもらう、そしてSNSでシェアしてもらうことなどが期待できるのです。
テンポの速い曲を使う
TikTokでは、BGMとして使われている曲のテンポが速い動画が人気です。
広告動画をコンテンツ感覚で閲覧してもらうためにも、TikTokの文化に合わせたクリエイティブに仕上げるべきでしょう。
基準としては、BPM120以上の曲を使うと再生完了率が上がる、というデータがあります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
TikTokの広告出稿は種類によって価格の幅が広いため、メリットやデメリットをよく把握した上で適切に活用すれば、大きな広告効果を得られることでしょう。
ただし広告運用にはある程度のノウハウもあり、効果的な広告運用をしたいのであればインフルエンサーに依頼する、もしくは広告出稿のノウハウがある代理店に依頼するとより効果的です。
もしTikTokの広告を依頼したい場合は、こちらまでお気軽にご相談ください。
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