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Twitterで投稿が数多くリツイートされることを「バズる」といいます。

たった一つのツイートがリツイートにリツイートを重ねることで、広く読まれるだけでなく、ある特定のブランドや商品の売り上げをアップさせたり、時には世の中自体を動かすこともあります。

たとえば料理系インフルエンサーとして多くのメディア露出もされているリュウジさんは、2019年1月にじゃがりことチーズを使った簡単料理「じゃがアリゴ」を紹介し、現在13.5万リツイートを記録しています。

 

このツイートによってリュウジさん自身が有名になっただけではなく、ツイートをマネしたいと考える人によってじゃがりこが売り場の棚から消え、カルビーの生産ラインの体制を変更させるまでに至りました。

当時多くのYouTuberによってマネされたりテレビなどのメディアでも取り上げられていたため、別の媒体で知った人も多いでしょう。

ただ、バズるためには多くの人の心を動かし拡散される必要がありますが、具体的に「どのようなツイートが拡散しやすいのか?」について、深く分析する人はあまりいませんでした。

そこでこの度Twitter社は、#拡散の科学」というプロジェクトを立ち上げ、実際にどのようなツイートが拡散するのか、どんなツイートをすればバズりに近づけるのかを分析しました。

本記事では世界初公開となるこのデータについて解説いたします。

TwitterでのKPI達成を目指しているSNS担当者の方は是非ご覧ください!

(本記事の画像は全て#拡散の科学」から引用しています)

拡散とは何か?

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バズりの1つの目安は「1300リツイート」

近ごろでは「バズる」という言葉が当たり前のように使われていますが、実際に明確な基準があるわけではありません。

1つの基準として「万バズ」、つまり1万リツイート以上になったツイートという指標がありますが、実際に調べてみたところ、ツイートをした本人の実感は「1300リツイート」ということが判明しました。

バズったツイートに対して本人がよく「バズったので宣伝します!」と言って本業の商品や経営している店、推しているアイドルなどを宣伝するときがありますが、このツイートをした時点での元ツイートのリツイート数の中央値(すべての値を上から順番に並べたとき、総数の半分の順番の値)が1300なのです。

1万と比べるとかなり低いようにも感じますが、ツイート全体から見ると0.1%、つまり1000分の1しかないのです。

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ちなみに1ツイート当たりの波及力はおよそ300impsと言われているので、1300リツイートになるには1次拡散、2次拡散…と広がっていく必要があります。

そこには「熱量伝播」というものが必要になってくるといわれています。

ツイートはまずフォロワーを起点に1次拡散という熱量伝播が起こり、2次拡散以降はコミュニティを超えて熱量伝播が必要になっていくのです。

なぜ人は拡散するのか?

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もちろん人はすべてのツイートをリツイートするわけではありません。

つまり人はリツイートボタンを「何らかの理由」で押したくなり、その人数が多い結果バズるのです。

「#拡散の科学」では、機械学習による定量調査と人間による定性調査を組み合わせ、その理由を分析しています。

その結果、6つの熱量伝播、そして16個の熱量に分けることができると判明しました。

「反射的にリツイート!」直感で拡散タイプ

熱量伝播として一番わかりやすい、「自分が感じたものを共有したい」という直感タイプです。

反射的にするものということもあり、超短時間で判断するリツイートでは有利に働きます。

WOW

驚きのリアクションとともにリツイートされることが多いこちらのタイプは、レアな出来事を発見したときに起きやすくなっています。

特に画像や動画などの投稿が多いようです。

上記の「まるで写真に見える絵画」は「神」「本物に見える」「すごい」など多くの称賛の声とともに拡散されています。

FUN

面白いネタのようなこちらのタイプは、ツッコミの声とともに拡散されることが多くなっています。

画像のみ、文章のみのパターンもありますが、画像と文章を組み合わせてより面白くなるパターンも多く見られます。

 

上記のツイートはお笑いトリオ「ぱーてぃーちゃん」のすがちゃん最高No.1さんの投稿です(実際はYouTubeの企画から派生した投稿)

文章と写真とが相まって、「面白すぎ」「草生える」などの声が集まっています。

尊い

「尊い」は本来「身分が高い」という意味でしたが、最近では「最高すぎてリスペクトを感じてしまう」というときによく使われます。

特に2次元・3次元に限らず、推しのアイドルやアニメキャラの顔や言動、カップリングなどに使われることが多いです。

 

上記の動画は「ふくろうカフェ楽園」さんが投稿したフクロウの求愛行動で、あまり知られていないフクロウのけなげな求愛行動に「可愛すぎ」「素敵」などのコメントが多く寄せられました。

このように、動物に対しても「尊い」という感情は生まれるのです。

癒し

なにかと疲れている現代人にとって、癒しの要素は必須。

動物や赤ちゃんに関する投稿は多くの共感を得やすい要素です。

 

上記のような兄弟のほほえましい様子を切り取った写真は、全世代に対して癒しの感情を与えるだけでなく、子育て世代の共感も呼んでいるため非常にバズっていました。

感動

やはり人間の心を動かす要素として「感動」はなくてはならないものです。

こちらは実話エピソードや感謝を伝える投稿が多いのが特徴です。

 

上記のようななにげない親子の会話も、Twitterに投稿することで5万以上のリツイートを獲得しています。

バズりの素はこういった何気ない会話の中にもあるのかもしれません。

ショック

悲しみを感じるようなやるせない投稿に対しても多くの人が共感するため、リツイートで拡散されやすくなります。

これは特に有名人の死去報道などが代表的な例といえるでしょう。

 

こちらは世界的ミュージシャン、坂本龍一さんが2023年3月に亡くなった時の公式ツイッターのツイートです。

坂本さんの死には多くの人がショックを受け、弔いの言葉や感謝の言葉を投げかけています。

「これ知っておいて!」知識で拡散タイプ

Twitterを見ていると、生活に役立つ知識も拡散されやすくなっています。

いい情報は「みんなに知ってほしい」という考えが働くからです。

知っトク

いわゆる「ライフハック」に分類されるもので、「知らなかった!」「それは思いつかなかった!」という内容のものがバズりやすくなっています。

 

上記の調味料に関する使い方はテレビなどでも紹介された裏技です。

「いいこと聞いた」「今度塩が固まった時にやってみよう」など、多くの意見が寄せられました。

注意喚起

「みんなに知らせたいこと」はライフハックのように「みんながハッピーになるもの」もあれば、注意喚起のように「みんながリスクを回避するためのもの」もあります。

同じ目に合ってほしくない、という気持ちは誰にでもあるのです。

 

上記のような犯罪につながる例は特に多くの人に知ってほしいという気持ちから拡散されやすくなります。

最近では他にも「転売ヤーと呼ばれる人から物を買わないように」という種類の注意喚起も増えています。

「自分も同じこと考えてる!」主張で拡散タイプ

人には誰しも主張がありますが、自分の主張をわかりやすく文章にしているツイートは拡散されやすくなります。

同調

その意見をリツイートすることで第三者の意見を自分の意見として借りることができるため、疑似的な吐露ができます。

 

学生や社会人にとってゴールデンウイークなどの長期連休が終わるのは悲しいことですが、それを代弁した動画を作ったのが上記のツイートです。

連休が終わってほしくないというユーザーによって広く拡散されました。

物申す

世の中や世論がおかしな方向に行っていると感じたとき、それを断ち切るためにされるようなツイートも出現します。

特に新型コロナなど、情報が不確かなものに対して出現するデマを一刀両断するような内容も多くあります。

 

上記のツイートは、狂犬病予防のワクチンを愛犬に打たせていない人に対して、必要性を訴える内容となっています。

こういった内容は「よくぞまとめてくれた!」となりやすく、拡散されやすくなります。

「めっちゃわかる!」納得の拡散

いわゆる「あるある」のように、自分と同じ価値観に触れることで喜びを感じることができます。

同じような喜びを分け与えたくなるため、リツイートが増えるのです。

あるある

多くの人が過去に経験したことがある、いわゆる既視感に訴えかける投稿は拡散されやすくなります。

 

あるあるは広い世代に受け入れられやすいものもバズりやすいですが、上記のツイートのように特定の世代の女性しかわからない、という内容でもバズることはできます。

特定の層に向けているほうがあるあるとして深く刺さりやすいからだと考えられます。

真理

自分では気づかなかったけど、言われてみれば確かにそうだと納得する、「言い得て妙」なツイートも拡散されやすくなっています。

 

こういったツイートは「名言」「まじでそれな」などの言葉とともに拡散される傾向にあります。

「パワーよ届け!」声援の拡散

人は「誰かの力になりたい」と潜在的に考えており、その気持ちはリツイートという形でも現れます。

応援

特にスポーツなどでは、リツイートすることで応援につながるツイートも多く見られます。

これは特定のコンテンツなどでも同様です。

 

上記のツイートは東京オリンピック2020で金メダルを獲得したスケートボードの堀米選手の報告ツイートです。

このツイートは「おめでとう!」「感動をありがとう!」の声とともにリツイートされています。

支援

窮地に陥っているような産業の方がつぶやくツイートも、「リツイートすることで助けになれば」という思いで拡散する人が多くいます。

店員の誤発注で大量に仕入れすぎた結果の「助けて!買いに来てください!」というツイートがバズりやすいのもこの心理によるものです。

 

上記のように、「まだ知られていない機能のPR」という面でもTwitterは活躍するのです。

「欲しい!やりたい!」欲求で拡散

いい商品に対し「これが欲しい!」と思わせることでもリツイートは大量に増えます。

WANT

リツイートしたことで手に入るわけではなくとも、みんながまだ知らない商品を欲しくなるようなツイートはバズりやすくなっています。

画像や動画でPRすることが何より重要です。

 

ミチルさんは架空の商品を作って画像を載せていますが、非売品にもかかわらず毎回多くのリツイートを獲得しています。

 

最近では架空商品の中から実際の商品化に進むこともあり、まさに「バズることで企業を動かす」という好例といえます。

インセンティブ

WANTとことなり、こちらは実際にリツイートすることで手に入る可能性がある、いわゆるキャンペーンと呼ばれるものです。

こちらはリツイートされやすいですが、商品を何にするか、などによってもリツイート数は変化します。

 

上記のツイートはもっともポピュラーな「フォロー&リツイートキャンペーン」です。

これによりフォロワーも増え、拡散もされるので企業にとっても消費者にとってもWin-Winとなります。

熱量別の傾向

これまでの16個の熱量の中で最もシェアが高いのはインセンティブであり、続いてWOWとFUNが続きます。

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ただし、シェアには関係なくどれも平均6万リツイートを超えているため、いずれも拡散の理由としては強いと言えます。

これら16個の熱量を平均リツイート数、平均いいね数、ツイートボリューム数で見ると、いいねもリツイートも多いのはポジティブな感情のものが多いことがわかります。

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リツイートボタンが押されやすくなる投稿とは?

ここからは具体的に「どのようなツイートが拡散されやすくなるのか」を細かく見ていきましょう。

何時間後にピークが来るのか?

ツイートごとに72時間までの拡散の波形を見ると、瞬間的に広がりその後すぐ収まる「スパイク型」と、じわじわ広がる「パルス型」の2種類があることもわかっています。

インセンティブやショック、応援などはスパイク型、他は全てパルス型です。

いずれも72時間以内にピークが収まっているのがわかります。

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その中でピークの時間が何時間後に来るのかで大きく3種類に分けられます。

2時間以内にピーク

スパイク型の3種類はその場のニュースや「欲しい」という直感に基づいているのでピークが早く来ます。

パルス型の中でも、WANT、感動、支援、尊いなどはファン心理で直感的に反応されるため瞬間的に拡散されます。

12時間以内にピーク

真理、あるある、同調、FUN、知っトク、WOWはここにあたります。

ある程度の普遍性があり、コミュニティに関係なく広く反応されやすいため、持続的に広がっていきます。

12~24時間でピーク

癒し、物申す、注意喚起はここにあたります。

物申す、注意喚起は考えなければならない理性的な感情のため、じっくり広まっていると考えられます。

癒しについては万人に反応されやすいためゆっくり拡散していると考えられます。

ツイートの形式は文章?画像?

拡散されるツイートには動画や静止画が多く利用されています。

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ただしこれはインセンティブの場合かどうかによって大きく異なります。

インセンティブがない場合はどの形式でも同様の効果が期待できますが、インセンティブの場合は動画が入っていたほうが文章のみの場合の約2倍拡散されます。

投稿する文字数やハッシュタグ数は?

これもインセンティブの有無によって大きく異なります。

インセンティブありの場合ではどんな方法でも120文字埋めていたほうがよいですが、インセンティブなしの場合は文章のみで120文字程度、文章なしだと30文字以下に抑えたほうがバズりやすくなっています

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さらにバズるツイートにはよくつけられているイメージがあるハッシュタグですが、特にインセンティブなしの場合はハッシュタグがほぼつけられていません。

インセンティブの場合でも3つ以下の場合がほとんどであり、ハッシュタグの乱用は見栄えからしてもあまりよくないと言えるでしょう。

拡散されやすい投稿カテゴリーは?

上記画像のように、良く拡散されるカテゴリーはなにかを作り出す「クラフト」でした。

しかし、他の分野も含めてカテゴリー自体が広く、各々が好きなことで注目される可能性を十分に秘めています。

拡散されやすい時間帯は?

投稿時間帯を5つに分けて分析したところ、なんと深夜1時~5時に投稿したものが最も獲得したリツイートが多いという結果となりました。

これは、深夜の間にじわじわ注目されたツイートが朝方~昼にかけて多くの人の目に留まり拡散、その後夕方~夜にかけてもうひと伸びするからだと考えられます。

深夜の時間帯はつぶやく人が少ないため、ライバルが少ない状態であるということも大きい要因かもしれません。

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フォロワー数はバズりに影響するのか?

フォロワー数が多いと最初に見る人もおのずと増えるため、結果的にバズりやすいようにみえます。

しかし分析してみると、1300リツイートを超えて熱量伝播し始めるとリツイート数との相関はなくなります。

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つまりフォロワーが少なくても十分にバズりは起こるのです。

ただもちろん、1300リツイートを超えるにはフォロワーが大きな味方となってくれるため、そこまでの速さはフォロワー数が大いに関係しています。

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まとめ

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最後に、バズりについてまとめた9か条が上記画像になります。

あらためて記載すると、

  • フォロワー数に関係なくバズは誰にでも起こせる
  • 世の中ごとへの入り口となるバズの目安は1300リツイート
  • ユーザーは16個の「熱量」でリツイートボタンを押したくなる
  • 最もリツイートにつながる時間帯は深夜1時~5時台
  • リツイートされるツイートは「画像」つきが最も多い
  • フォロワー数は1300リツイート到達までのスピードを早めてくれる
  • 拡散とハッシュタグには相関がない
  • 拡散は基本的に72時間以内に収束する
  • 最も拡散されているカテゴリーは「クラフト」

となります。

ただ、企業のアカウントの場合だと実践しやすいものとそうでないものがあるので、取捨選択して自分に合ったツイートをするように心がけましょう。

もし企業でのアカウント運営に自信のない方は、こちらまでお気軽にご相談ください。

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