音楽に合わせて振付けを行う「踊ってみた」で若年層を中心に火が付いたTikTokですが、現在はライフハックやメイク動画など様々なコンテンツ動画が発信されています。
近年では、TikTokをはじめとするショートムービーに合わせ、スマートフォンに合った縦型の画面で収録された「縦型ドラマ」が人気となっています。
そんなTikTokドラマの流行に合わせ、日本テレビは2023年3月12日、TikTok上で縦型ショートドラマ専用アカウントを開設しました。
上記の試みはテレビ局でも初の試みであり、今後のドラマ業界の流れを変えることが予測されます。
本記事では、日テレの事例を参考に、TikTokで話題の縦型ドラマについてご紹介していきます。
ドラマ以外にも、TikTokでコンテンツを作成・投稿する際の参考にしたいポイントを取り上げていきますので、ぜひ最後までご一読ください!
目次
日テレがTikTokで配信する縦型ドラマ
日本テレビは3月12日、TikTokで縦型ショートドラマ専用アカウントを開設し、「TikTok縦型ドラマ事業」に参入したと発表しました。
今回、日本テレビは、ショートドラマクリエイター「ごっこ倶楽部」と共同でドラマを制作・運営を行い、「毎日はにかむ僕たちは。」の配信を行います。
上記はデジタルネイティブ世代の若者を中心として幅広い視聴者に向けた、TikTokで気軽にみられるショートドラマとなっています。
画像:日テレ、TikTokでドラマ配信--専用アカウントを開設、TikTok縦型ドラマ事業に参入 | C NET Japan
第1シリーズとなる「毎日はにかむ僕たちは。」では、2023年に日本テレビの「大病院占拠」に出演した中澤実子さんや、2021年に「ウルトラマントリガー」でヒロインを務めた豊田ルナさんら女優6人がメインキャストとして出演します。
それぞれが経験する恋愛のときめきや切なさ、他愛もないけれど思い出に残る日常など、青春を詰め込んだドラマになると発表しています。
日テレによると、近年、TikTok、YouTube、Instagramリール動画などの台頭により、同じ「ドラマ」というジャンルにおいても、1話あたりの尺が短い作品や短期間で制作できる作品を発信できる場が増えてきたといいます。
そこで、縦型ショートドラマに特化したTikTokアカウントを開設し、TikTokを中心に活動を行っている「ごっこ倶楽部」の協力のもと、さらに幅広い層の視聴者に、同社のエンターテインメントを届けることを目指すとしています。
ごっこ倶楽部とは
今回日テレが縦型ドラマを共同で製作するごっこ倶楽部は、2021年5月に結成したクリエイター集団です。
ごっこ倶楽部は、“日常で忘れがちな小さな愛”をテーマにTikTokを中心に縦型ショートドラマの作成・投稿を行っています。
2021年5月からTikTokにショートドラマの投稿を開始し、幅広いジャンルのドラマを制作しています。
2023年3月現在でTikTokアカウントに98.5万人を超えるフォロワーを抱えるほか、2022年9月単月での調べでは、1か月での再生回数が1億回を突破していることが報告されました。
また、GOKKOは2022年2月にベトナムアカウントを開設し、翻訳テロップを付けた投稿開設を行うことで、1カ月で再生1800万回、63万イイね、4.5万フォロワーを突破した実績を上げ、2022年4月にはインドネシアアカウントも開設しています。
2022年11月には、ごっこ倶楽部を運営する株式会社GOKKOが、i-nest capital、株式会社セプテーニ・ホールディングス、ケップルキャピタル、W fund および個人投資家の佐渡島庸平氏、仲子拓也氏、亀井智英氏などを引受先とした第三者割当により約2億円の資金調達を実施したことからも、その注目ぶりが伺えます。
さらに、2022年11月には、世界初の試みとして、縦型映画『アンガージュマン』をTikTokで映画公開前配信を開始しました。
@gokko5club あなたは今の自分に満足してますか? #アンガージュマン #初回スペシャル #ショートフィルム #短編ドラマ #ショートドラマ #映画 #ドラマティッカー #ごっこ倶楽部 #ごっこ倶楽部初長編作品 ♬ アンガージュマン - GOKKO CLUB
映画『アンガージュマン』は、2021年12月に行ったクラウドファンディングによるプロジェクトから製作されたコンテンツで、プロジェクトは目標の424%を達成するなど、大きな成功を収め、2023年1月には先行試写会を行っています。
TikTokを始めとするショートムービーのドラマ業界を牽引する存在であるごっこ倶楽部に注目することで、今後の縦型ドラマ市場の動向が伺えそうですね。
縦型ドラマとそのターゲットとは?
先述してご紹介した事例以外にも、縦型ドラマの注目度が分かる様々な事例があります。
ハッシュタグチャレンジ「#ショートフィルム」
TikTokは、2022年11月、縦型短編の「映画」「ドラマ」コンテンツを投稿するクリエイターを支援し、映画やドラマの新たな表現手法を模索するための取り組みとして、ハッシュタグチャレンジ『#ショートフィルム』を開催しました。
画像:TikTok、縦型短編映画・ドラマクリエイターを応援する新たなハッシュタグチャレンジ「#ショートフィルム」を開催!アンバサダーに上田慎一郎監督が就任し、縦型短編の新作映画も投稿! | PR TIMES
本ハッシュタグチャレンジは、縦型短編映画・ドラマクリエイターを継続的に支援することを目的としており、2022年11月1日から2023年1月31日にかけて、1ヶ月ごとに区切りながら連続で実施されたプロジェクトです。
開催期間中の動画投稿で条件を満たしたクリエイターから、再生回数や質の高さ、独創性を総合的に鑑みて複数の優秀投稿者を選出し、選ばれたクリエイターには、制作支援金として15万円が支給されました。
@kouhei0319 皆さんは今、幸せですか?#ショートフィルム@🌸おもち @中谷栄輝 ♬ 10月無口な君を忘れる - あたらよ
上記は、上田監督賞を受賞した土井康平(@kouhei0319)さんの投稿です。
本企画のアンバサダーには、映画監督である上田慎一郎(PICORE株式会社)が就任し、投稿された作品に対してコメントを発表する他、自身でもTikTokアカウントを開設し、スマートフォン撮影にて縦型短編の完全新作映画作品の制作に挑戦しました。
上記の例から、TikTok社もドラマコンテンツに力を入れていることが伺えます。
ニコン主催 Vertical Movie Award 2022
2022年には、カメラを中心とする光学関連装置の大手メーカーである株式会社ニコンが、縦型動画に挑戦する映像クリエイターを応援するべく、『-Nikon Presents- Vertical Movie Award 2022』を開催しました。
画像:『Z to Go -Creators in the field-』プロジェクト | Vook
本プロジェクトは全編縦型で2分以内のレギュレーションという、まさに新時代に向けての映像制作コンテストで、ニュースタンダードになりうる”縦型動画”の
最前線に挑戦するクリエイターを応援するものです。
グランプリを受賞された森下 大さんは、本職で特殊映材社に所属するディレクターとして、主に広告案件を手がけており、自主製作で映像を撮影しています。
縦型映像ポートレート作品として投稿された「Develop」からは、縦長ドラマとしての新しいジャンルの確立が伺えます。
大手カメラメーカーが縦長動画に注目していることからも、今後の縦長ドラマの市場拡大が期待できます。
縦長ドラマのターゲットや狙い
20代のZ世代を中心に人気を集め瞬く間に広まった縦型コンテンツは、以前まで当たり前とされていた“横長”の常識を覆し、マンガや映画界といったエンターテイメント業界を変化させています。
もともと縦型画面のコンテンツは“SNSの個人発信”のモノが多く、若年層へ向けたコンテンツや一部のターゲットに向けた投稿が多くを占めていました。
しかし最近ではYouTubeのようにグループでアカウントを持ち、編集が創りこまれた作品を投稿するクリエイターが増加したことでコンテンツの種類も増え、30代、40代もターゲットに含まれ始めました。
また、縦型コンテンツのメリットとして、完全視聴される確率が高いことが挙げられます。
基本的には一本のコンテンツの時間が10分前後と短く、視聴者を飽きさせる前に物語が終わることが由来し、長編動画よりも完全視聴率が高い傾向に繋がっているのです。
完全視聴の確率が高いことは広告の面で見ても大きな利点があるため、企業との共作の可能性も拡がります。
SNSでのアルゴリズム的に完全視聴率が高くなると、合計視聴時間も伸び、おすすめ動画に表示される可能性も高くなります。
縦長ドラマを始めとするショート動画作成の際は、長尺のコンテンツも短尺に切り分けて投稿を行うことで多くのユーザーへのアプロ―チに繋げていくことが好ましいでしょう。
まとめ
以上、縦型ドラマについての事例やポイントをご紹介していきましたが、いかがでしたか。
縦長ドラマは市場はまだあまり大きくないですが、テレビ業界が参入したことで今後拡大していくことが期待されます。
SNSでの広告以外にも、ごっこ倶楽部の事例のようにオフラインのイベントや他プロジェクトと組み合わせることによって収益化やサービスへの導線作りとなるでしょう。
TikTok他、SNSで話題を作りたい方はお気軽にご相談ください。
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