手軽に写真や動画を投稿したり共有できるインスタグラムは、トレンドを発信する人気SNSです。
操作は基本的にスマホから行える手軽さがありますが、セキュリティやリスクをきちんと把握しているユーザーや運営者はどれだけいるでしょうか?
特に企業アカウントとしてインスタグラムを運営しているならば、乗っ取り(不正アクセス)や個人情報の流出といった事態が起これば、企業の信用を著しく損なってしまう重大なトラブルとなります。
今回は企業のSNSをするなら必ず理解してほしいインスタグラムのセキュリティ対策と乗っ取りされてしまった時の対処法について詳しく解説していきます。
目次
InstagramなどSNSアカウントが乗っ取りされたときのトラブルリスク
これまでにもTwitterやFacebookなどでは不正ログインによるアカウントの乗っ取り被害が報告されてきました。
LINEなどで友達に対しプリペイドカードの購入や送金を促すような詐欺メッセージを送ってしまうといった被害も報告されています。
Instagramでの乗っ取り被害も多く報告されています。利用者が多くいるということは、それだけ狙われるリスクも比例して大きくなるということなのです。
企業アカウントや自分のアカウントが乗っ取られてしまうと、ビジネスの運営や自己ブランディングに支障をきたし、今まで積み上げてきた信用を損なってしまいます。
まず、以下のような3つのリスクと影響があることをよく認識しておきましょう。
1. 犯罪に利用される可能性がある
アカウントが乗っ取られてしまうと、自分のアカウントから意図しない投稿がされたり、フォロワーに対して誤解を招くようなDM(ダイレクトメッセージ)を送信される危険性があります。
また、悪質な場合は出会い系サイトやアダルトサイトなどの宣伝とそのサイトへの誘導、架空請求などの詐欺サイトへの誘導などが行われてしまう可能性もあります。
さらに、プロフィール内のURLリンクが変更される可能性もあります。
インスタグラム経由で自社サイトに誘導するはずのユーザーがフィッシングサイトへ誘導され、個人情報やカード情報を奪われるという二次被害を生む重大な事件につながることもありうることです。
2. アカウント凍結などで全ての投稿やフォロワーを失う可能性がある
それまで投稿したコンテンツや写真を削除されてしまう可能性があります。ブログやホームページにインスタグラムの投稿を埋め込んでいる場合、投稿も削除されて表示されなくなってしまうのでさらに被害が広がります。
また、1で説明したようなスパム投稿やダイレクトメッセージでの詐欺行為、違法サイトへの誘導が行われるとアカウント凍結措置が取られる可能性もあります。
インスタグラムのアカウントが凍結されてしまう理由は主に以下です。
- 違反報告が多いアカウント
- 商標を無断使用した場合
- 長期間使用されていないアカウント
- 利用規約違反したアカウント
アカウントが凍結されて復旧ができなくなってしまうと、そのアカウントで獲得した全てのフォロワーと自分でアップしてきた投稿すべて失うことになってしまいます。
3. DM(ダイレクトメッセージ)に含まれる個人情報流出が最大のリスク
企業アカウントとしてインスタグラムを運営している場合、顧客の個人情報を保護することは企業責任として求められています。
フォロワーの氏名、電子メールアドレス、電話番号といった個人情報をDM(ダイレクトメッセージ)でやり取りしていた場合、乗っ取りによりそれらの個人情報も流出してしまうことになります。
過去の2014年に起きたベネッセホールディングスの3,504万件にも及ぶ顧客データの流出事件は大きく報道され、企業の情報管理体制、セキュリティリスクへの姿勢が厳しく批判を受けました。
何らかの形で顧客の個人情報を扱っている企業の責任者は、個人情報流出が最大のリスクになる事を認識しておく必要があります。
万が一インスタグラムアカウントが乗っ取りされてしまったときの対処法
ここでは、ヘルプセンターに掲載されているインスタグラムの乗っ取り(不正アクセス)への対処方法を紹介します。
インスタグラムアカウントにログインできる場合の対処法
アカウントが不正アクセスされたと思われる場合で、ログインできるときは、まず以下の項目を行いましょう。
- パスワードを変更するか、 自分宛てにパスワードの再設定メールを送信する
- 不審なサードパーティアプリのアクセスを無効にする
- セキュリティを強化するために二段階認証をオンにする
パスワードの流出が一番の問題ですので、まずはパスワードを変更してしまいます。
Twitterとの連携アプリなどで不審なサードパーティアプリを使っている場合は、連携を無効にしましょう。
そして二段階認証を設定することでセキュリティ性を向上させます。(設定方法は後述)
もし、アカウントにログインできなくなっていた場合は、以下の方法を順に試してみましょう。
自分のメールアカウント宛てにInstagramからメッセージが届いていないか確認する
インスタグラムでメールアドレスを変更した場合、登録しているメールアドレス宛にインスタグラムから情報変更した旨のメールが届きます。
インスタグラムからメールアドレスの変更を知らせるメールを受け取った場合、メールに記載されている[この変更を取り消す]オプションを使って元に戻すことができます。
パスワードなど、その他の情報も変更されていて、メールアドレスを元に戻せない場合は、そのアカウントを報告してください。
不正アクセスされたアカウントを報告する
アカウントを元に戻せない場合、そのアカウントをインスタグラムに報告しましょう。
Androidの場合
- ログイン画面で[ログイン]の下の[ログインのヘルプ]をタップします。
- ユーザーネーム、メールアドレス、電話番号を入力して、[次へ]をタップします。
- [ヘルプが必要な場合]をタップして、画面の指示に従います。
- 自分だけが利用できる安全なメールアドレスを入力します。
- リクエストを送信したら、Instagramから次の手順を知らせるメールが届くので指示に従います。
iOS (iPhone)の場合
- ログイン画面の[パスワードを忘れた場合]をタップします。
- [ログインリンクを送信]の下にある[ヘルプが必要な場合]をタップして、画面の指示に従います。
- 自分だけが利用できる安全なメールアドレスを入力します。
- リクエストを送信したら、Instagramから次の手順を知らせるメールが届くので指示に従います。
IDを認証する
リクエストを送信すると、InstagramのセキュリティチームからIDの認証を求める自動返信が届きます。
認証には、次のいずれかまたは両方を使用します。
- Instagramからお送りしたコードを手書きした紙を持っているあなたの写真。
- 登録に使用したメールアドレスまたは電話番号と、登録時に使用したデバイスタイプ(例: iPhone、Android、iPadなど)。
ID認証用の情報を送信すると、先ほど指定した安全なメールアドレス宛てに、アカウントを元に戻す方法を記載したメールがInstagramから送信されます。
記載されている内容をもとに、アカウントを元に戻しましょう。
インスタグラムのヘルプセンターではアカウントが不正アクセスされたときの対処法などが詳しく掲載されています。
困っている場合は記載されている内容にすべて目を通しましょう。
⇒Instagramアカウントが不正アクセスされたと思われる場合は、どうすればよいですか。|Instagramヘルプセンター
高いセキュリティ性をもつ二段階認証ログインの設定方法
インスタグラムのセキュリティを見直す基本はパスワードを難しいものに設定することです。
以下の条件をまず確認しましょう。
- 英数字の小文字と大文字を含ませる
- 数字や記号を含ませる
- 名前、誕生日など個人情報から予想できない文字列にする
- 他のサービスで使っているパスワードと違うものにする
そのうえで、不正アクセスによる乗っ取りを防ぐ有効な対策として、ログインの二段階認証を行いましょう。
二段階認証とは、通常のIDとパスワードによるログインの他に、認証コードを使ってログインを二段階に分けて行う仕組みです。
認証コードは自身のスマートフォンでのみ確認できるので、万一ログインパスワードが流出してしまっても、不正ログインを防ぐことが可能です。
ログイン時に2種類の情報入力が必要となり手間が増えますが、アカウントの乗っ取りによって重大な問題が発生するよりはマシでしょう。
以下、二段階認証の設定方法を解説します。
1. プロフィールを開いて右上の設定をタップ
まず、インスタグラムの設定画面を表示させましょう。設定アイコンは、Aandroidは縦3点、iPhoneは歯車です。
2. オプションを開き二段階認証をタップ
オプション画面に「二段階認証」の項目があるので、タップします。
3. 「セキュリティコードをオンにする」のスイッチをオン
セキュリティコードをオンにしましょう。
アカウントに電話番号が追加されていない場合は「電話番号を追加してください」のダイアログが開きますので「電話番号を追加」をタップし設定します。
4. スマートフォンのSMSで「認証コード」を確認
自分のスマートフォンの電話番号当てにSMS(ショートメッセージ)が届きますので、認証コード(セキュリティコード)を確認しましょう。
5. 「認証コード」を入力
インスタグラムのアプリに戻り、届いた認証コードを入力し、右上の「完了」をタップします。
6. バックアップコードのスクリーンショット保存
万一スマートフォンを紛失してしまった場合に備え、バックアップコードのスクリーンショットを必ず保存しておきましょう。
認証コードをバックアップしておけば、スマホや携帯を紛失してもログインを再現することができます。
以上でインスタグラムの二段階認証の設定完了です。
万が一ログインパスワードが奪われても、二段階認証によるセキュリティがはたらいているため、不正アクセスされるリスクが大幅に減ります。
企業などで複数の人がインスタグラムのアカウントを共有する場合のセキュリティー対策
企業アカウントの運用の場合、複数の担当者がログインをする場合が多いでしょう。
また、個人アカウントと比較して攻撃の対象となる可能性も格段に高い企業アカウントは、非常に不正ログインリスクの高いアカウントですので、しっかりとした対策が必要です。
インスタグラムを複数人で運営する企業アカウントのセキュリティー対策
企業アカウントのセキュリティーをしっかりと守るためには、個人の場合と同様にパスワードを複雑にすることや二段階認証の設定をすることに加え、運用ルールを明確化する必要があるでしょう。
多くのセキュリティーツールの販売会社が推奨している共通点をまとめると、次のような対策があげられています。
- 従業員の不適切な利用を制限するガイドラインの作成
- 運用者の数を限りなく少なくする
- セキュリティーソフトの導入やソフトウエアの更新を適切に行うなどのパソコン自体のセキュリティー強化
企業アカウントのSNSは企業の顔ともいえますので、しっかりと対策をとって不正アクセス防止に努めましょう。
まとめ
今回はインスタグラムのアカウント乗っ取りにおけるリスクや対処法をご説明しましたがいかがでしたか?
一度アカウントが乗っ取られて被害を顧客やフォロワーに対して出してしまうと信頼を取り戻すことは困難です。
またアカウントが凍結された場合は二度とログインすることもできません。
そのような悲劇的な事態を防ぐため、今回紹介した方法でインスタグラムのセキュリティ対策をしっかりと行うようにしましょう。
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