2019年11月より始まった世界規模での新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大。
日本においても2020年4月初めには全国規模での緊急事態宣言が発せられ、5月初めには緊急事態宣言の延長が発表。その間国民が外出の自粛、企業や店舗も休業や営業自粛を余儀なくされるなど、社会や経済に対する新型コロナウイルスの影響は非常に大きなものとなっています。
人々の間に新型コロナウイルスに対する不安や恐怖が広がりを見せる中、多くの企業や店舗がこの苦境を乗り越えるために様々な努力や工夫を行っています。
今回は新型コロナウイルスに立ち向かい、人々や業界を元気づけるために企業や店舗によって開催された新型コロナウイルスに関連するInstagramキャンペーン・プロモーションの事例をご紹介してまいります。
目次
【#コロナに負けるな 編】Instagramキャンペーン・プロモーション事例まとめ
それでは早速、企業や店舗によって開催された新型コロナウイルスに負けないための「#コロナに負けるな!」をテーマにしたInstagramキャンペーン・プロモーションの事例をご紹介してまいります。
1. Red bull Japan「『#翼に翼をさずける』 キャンペーン」
画像:大切なあの人に感謝のレッドブルを送ろう #翼に翼をさずける キャンペーン実施中|PRTIMES
はじめにご紹介する「#コロナに負けるな」をテーマにしたInstagramキャンペーンは、「翼をさずける」のキャッチフレーズで有名な人気エナジードリンク「レッドブル」の製造・販売を行う「Red bull Japan」が開催した「『#翼に翼をさずける』 キャンペーン」です。
こちらのキャンペーンは新型コロナウイルス感染症が流行する昨今、毎日連絡をくれる友人やお世話になっている知人、心配してくれる家族といった大切な人たちに感謝のレッドブルを贈ろうという趣旨のキャンペーンとなっています。
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キャンペーンにはRed bull Japanの公式Instagramアカウント(@redbulljapan)をフォローの上、お世話になっている人との過去の思い出の写真をハッシュタグ「#翼に翼をさずける」を付けて投稿することで応募することができます。
賞品は「レッドブル・エナジードリンク・ホワイトエディション入りボックス」となっており、応募者の中から抽選で100名にプレゼントされます。
公式キャンペーンページでは「このような大変な状況でも、レッドブルがあなたのエナジーとなりますように。」とのメッセージが添えられており、新型コロナウイルスに立ち向かう人々への応援の意思が込められたキャンペーンとなっています。
新型コロナウィルスが広がっている中、自分の大切な人は大丈夫か? 久しぶりに連絡してみようか? と、人と人のコミュニケーションを自社ブランドを起点に行動を起こしてもらうというコンセプトは大変すばらしいですね。
Instagramキャンペーンを行う上では、そのテーマ性がユーザーの心に刺さるかが参加者を増やすための重要なポイントとなります。
キャンペーンのテーマを決める際は社会的意義、あるいは世の中へのメッセージ性を取り入れるなど工夫してみると、ユーザーの共感を生みやすいユニークなInstagramキャンペーンができるでしょう。
2. 日本盛株式会社「コロナに負けるな! ぬりえで鬼ころし おうちでぬりえ&投稿キャンペーン」
画像:コロナに負けるな! ぬりえで鬼ころし おうちでぬりえ&投稿キャンペーン|日本盛株式会社
続いてご紹介する「#コロナに負けるな!」をテーマにしたInstagramキャンペーンは日本酒をはじめとした酒造メーカー、日本盛株式会社が5月1日(金)から5月17日(日)まで開催した「コロナに負けるな! ぬりえで鬼ころし おうちでぬりえ&投稿キャンペーン」です。
こちらのキャンペーンはぬり絵のコンテストであり、日本盛株式会社の公式キャンペーンページにて配布されたぬり絵台紙を使用してぬり絵を完成させ、日本盛株式会社の公式Instagramアカウント(@nihonsakari_official)をフォロー、ハッシュタグ「#鬼ころし」「#おうち時間」を付けて作品をInstagramに投稿することで応募することができました。
コンテストは20歳未満が対象の「こどもの部」と20歳以上が対象の「おとなの部」に分かれており、こどもの部に応募する場合は「#こどものぬりころ」、おとなの部に応募する場合は「#大人のぬりころ」のハッシュタグを付けて応募することができました。
コンテストの賞品は
- こどもの部:小鬼賞(5名) 図書カード3,000円分
- おとなの部:赤鬼賞・青鬼賞(各1名) 日本盛詰め合わせセット(5,000円相当)
- おとなの部:さかり賞(3名) 日本盛詰め合わせセット(3,000円相当)
が設定されており、応募作品の中から選ばれた受賞作品の投稿者にプレゼントされます。
投稿されている作品はどれも素晴らしい出来で、作者さんが皆楽しんでいることでも大きな成功を収めた事例と言えます。
新型コロナウイルスの流行とそれに伴う緊急事態宣言によって多くの人々が外出自粛を余儀なくされ外出ができなくなった分、どのようにして「おうち時間」を楽しく快適に過ごすが重要な課題となりました。
こうした一時的あるいは恒久的な人々の悩みや課題を解決する要素をInstagramキャンペーンに組み込むことで、キャンペーンに参加するメリットが生まれ、結果的に参加者の増加につながることが期待できます。
世の中の不満や課題を解決するコンテンツは人々から常に求められますので、Instagramキャンペーン企画時に検討してみるとよいでしょう。
酒造メーカーでありながらも親子や家族皆が自宅で一緒に楽しめるぬり絵コンテストというコンテンツを提供した本キャンペーン。新型コロナウイルス流行下で不安やストレスを抱える人々にとってとても元気づけられるInstagramキャンペーン事例です。
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3. イージーヨガ「『#おうちでイージーヨガ』 キャンペーン」
画像:2020「ステイホーム週間」スペシャル「#おうちでイージーヨガ」キャンペーン|easyoga
次にご紹介する「#コロナに負けるな」をテーマにしたInstagramキャンペーンは有限会社パワーハウスが展開・運営するヨガウェア・ヨガ用品ブランド・ECサイト「イージーヨガ」によって開催された「Instagram『#おうちでイージーヨガ』 キャンペーン」です。
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こちらのキャンペーンには
- イージーヨガの公式Instagramアカウント(@easyogajp)をフォロー
- 上記のキャンペーン投稿に「いいね!」を付ける
- ハッシュタグ「#おうちでイージーヨガ」を付けてイージーヨガの好きなところ・すごいところをInstagramに投稿する
の条件を満たすことで応募することができます。
「イージーヨガのココが好き」や「イージーヨガのココがすごい」といった感想や紹介といった画像や動画の投稿が募集されており、心動かされるプレゼンをした「優秀賞」には「ウェア上下セット」が、ユニークな表現がされている「ユニーク賞」には「ノベルティ」がプレゼントされます。
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本Instagramキャンペーンは「自社ブランドの好きなところ・すごいところをInstagramに投稿してもらう」というものであり、自社に関する投稿をSNS上に増やすことは、SNSマーケティングとしては非常に効果のある方法です。
というのも、Instagram上に自社ブランドに関するポジティブな投稿(UGC)やコメントが増えることで、ポジティブな投稿を見た人がブランドに興味を持ち、新規のファン獲得につながりやすくなるためです。
最近ではInstagramやTwitterなどSNSを通して情報収集することが一般化しており、自社ブランドについての好意的な投稿がSNS上に多くあることが顧客獲得の重要な要素になります。
もちろん、やらせや押し付けではなく、すでにブランドのファンであるユーザーによる自然的な口コミとなるため、訴求力や共感力も高くなるメリットもあります。
そんな本キャンペーンは自宅でできるヨガの魅力や自ブランド製品の良さを伝えることを目的としており、充実した「おうち時間」の過ごし方を提案しています。
キャンペーン期間中にはECサイトにおいてグッズやウェアの割引セールも開催しており、新型コロナウイルスの流行という逆境に負けず新たなヨガファンや自社ブランドのファンを獲得しようという強い意志が感じられます。
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4. 合同会社チョコロコジャパン「コロナに負けるな! インスタグラムキャンペーン」
次にご紹介する「#コロナに負けるな!」をテーマにしたのInstagramキャンペーンは、添加物や防腐剤、脂肪などを一切使用しない健康や美容を志向したチョコレート製品の製造・販売を行っている合同会社チョコロコジャパンが開催した「コロナに負けるな! インスタグラムキャンペーン」です。
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こちらのキャンペーンは開催期間中合同会社チョコロコジャパンの公式Instagramアカウント(@chocoloco_japan)をフォローしたユーザーの中から抽選で10名に1人の当選者に「チョコロコ カカオニブ(クランチ)」がプレゼントされるというものです。
公式Instagramアカウントをフォローするだけで簡単に応募することができ、プレゼントの当選者が応募者中10名に1人という割合になっている点が特徴的です。
ユーザーのキャンペーン参加者数に比例してInstagramキャンペーンのプレゼント当選者が増えるというアイデアはシンプルでありながら、ユーザーの興味を掻き立てる効果が狙えます。
たとえばユーザーのキャンペーン参加者数に応じてプレゼントが豪華になるというやり方など、応用の幅が広いのでInstagramキャンペーン企画の際に参考にしてみるとよいでしょう。
Instagramキャンペーンの開催期間中、同社の公式Instagramアカウント上ではチョコレートやカカオの秘密や魅力を紹介する投稿がされており、訪れたユーザーへの訴求も丁寧に行っています。
5. 郡山市「『郡山市Instagram#郡山テイクアウト』 キャンペーン」
画像:「郡山市Instagram#郡山テイクアウト」キャンペーンを開催します!|郡山市
最後にご紹介する「#コロナに負けるな!」をテーマにしたInstagramキャンペーンは福島県の郡山市が行った「『郡山市Instagram#郡山テイクアウト』 キャンペーン」です。
こちらのキャンペーンはプレゼントキャンペーンといったものではなく、新型コロナウイルスの流行により外出自粛が求められる状況の中で売り上げの大幅な減少など多大な影響を受けている郡山市内の飲食店を応援するためのキャンペーンとなっています。
キャンペーンには
- 郡山市の公式Instagramアカウント(@koriyama_citypromotion)をフォロー
- テイクアウトできるグルメの写真や動画にハッシュタグ「#郡山テイクアウト」を追加
- 同投稿内にメンションタグ「@koriyama_citypromotion」を付けて投稿
の条件を満たすことで参加することができました。
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全国各地の飲食店で広がりを見せているグルメの「テイクアウト」に着目した本キャンペーン。キャンペーンに寄せられた投稿は郡山市の公式Instagramアカウント上にてストーリーズ形式で公開、シェアされています。
加えて、通常24時間で消えてしまうストーリーズの保存機能である「ハイライト」を活用し、キャンペーン参加店舗の情報を見つけやすくしている工夫も見られます。
画像:@koriyama_citypromotion|Instagramより、(画像左)同アカウントプロフィール画面。インスタラボにて赤枠追加。(画像右)ストーリーズハイライト画面
地方自治体にてInstagramなどSNSアカウントを運用し多くのフォロワーを獲得しておくことで、地域振興や新型コロナウィルスのような実店舗でのビジネスが難しいときに地域の力になれることがわかる事例と言えるでしょう。
地域振興は地域に住む人、そこでビジネスを展開する人、そして自治体との協力により加速しますので、地域を対象としたInstagramキャンペーンを行う際はSNSアカウント運用を通した普段からの関係づくりや支え合いを意識し、地域の団結力も高めておくとよいですね。
まとめ
3密の回避やソーシャル・フィジカルディスタンスの維持のため、オフラインでのコミュニケーションやイベント開催は難しくなっています。そのため、InstagramをはじめとしたSNSは今まで以上に存在感を増し、SNSキャンペーンやプロモーションの重要度も高いものとなっています。
新型コロナウイルスによって影響を受けている業界にとってSNSキャンペーン・プロモーションの開催は現状の危機を乗り越えるために大変有効な手段となるでしょう。大きな影響を受けていない業界にとっても、新型コロナウイルスに立ち向かうための支援や応援といった社会に貢献するキャンペーンの開催は企業・ブランドのイメージアップという結果を得ることにもつながります。
一方で、安易に新型コロナウイルス関連の施策を実施することは新型コロナウイルスの流行という危機を利用したPRという悪印象を持たれる可能性もあります。最悪の場合炎上といった結果にもつながりかねないため、新型コロナウイルス関連のInstagramキャンペーンやプロモーションを実施する際には注意を払う必要があります。
難しい状況下では、SNSマーケティングのリテラシーを十分高めたうえでInstagramキャンペーンを行うように心がけましょう。