バレンタインデーは一年の行事の中でもかなり注目を集めるイベントとなります。バレンタインの時期になると、チョコレートのレシピやプレゼントを探しているユーザーが、ウェブサイトやソーシャルメディアで関連コンテンツを検索する機会が増えます。
企業の認知度増加や製品の売上アップを狙うなら、イベントに関連したキャンペーンを開催するのがおすすめです。特にバレンタインは幅広いユーザーが情報を目にする機会が多い時期なのでマーケティングには外せません。今回はインスタグラムで企業が行ったバレンタインキャンペーンで、真似したくなるようなポイントやアイデアをご紹介します。
また、バレンタインデーに人気だったハッシュタグの分析結果も紹介。
インスタグラムを活用したキャンペーンにおいて、キャンペーンの入り口となるハッシュタグは非常に重要であり、選定により効果が大きく変わってきます。
キャンペーンを検討しているマーケティング担当者の参考になる結果ですので、是非ご活用ください。
その他のInstagramキャンペーン事例や役立つ記事へのリンクは【年間・シーズン】Instagramキャンペーン・プロモーション事例リンク集の記事にてまとめていますので是非ご活用ください。
目次
バレンタインのインスタグラムキャンペーン事例
1.友達とバレンタインお祝いキャンペーン
友達同士でチョコレートを送る友チョコが定番になっているように、バレンタインは恋人同士以外の特別な関係をお祝いすることにも使われています。家族や仕事仲間に感謝の気持ちを込めてチョコレートを送る事が多くなり、バレンタインは様々な愛情表現の場として活用されています。
ニナ・リッチはフランスのファッションブランド。インスタグラムで同社が運用する香水に関する姉妹アカウント「NINA RICCI Parfums」でバレンタインキャンペーンを実施しました。
バレンタインは恋人同士で過ごすイメージが強いイベントです。好きな人へ告白することに背中を押してくれるイベントでもありますが、シングルでいることが嫌でバレンタインまでに恋人を作りたいというプレッシャーを感じることもあります。そこでニナ・リッチは女性の友情を強調したキャンペーンをバレンタインに実施しました。バレンタインでお祝いする絆は恋人同士だけではないということをアピールして、新しいバレンタイン像を提案しました。
このキャンペーンでニナ・リッチは、仲の良い友達同士の写真や動画をハッシュタグ「#MybestValentine」を使ってインスタグラムで共有するように提案し、キャンペーンで投稿されたユーザーのコンテンツをニナ・リッチ パフュームのアカウントで共有して、ファンのコンテンツにスポットライトを当てました。
2.ダンキンドーナツの写真コンテスト
キャンペーンをインスタグラムで開催する目的はフォロワーとの絆を深める以外に、企業認知度の増加やそれに伴う売上増加があります。そこでキャンペーンを多くの人に見てもらうために、複数のプラットフォームを股にかけてキャンペーンを開催する企業がいます。
ダンキンドーナツもバレンタインキャンペーンで複数のプラットフォームを活用した企業のひとつです。FacebookやSnapchatを活用してキャンペーンの認知度を増加させました。
ダンキン・ラブと名付けられた同社のバレンタインキャンペーンは、ハッシュタグ「#DunkinLoveContest」を付けてドーナツとバレンタインをコンセプトに写真を投稿することが参加条件となっていました。キャンペーン期間中はドーナツを持った恋人達の写真であふれました。
同社がキャンペーン開催に当たって行ったのは、他のプラットフォームと連携することです。Facebookではライブ配信をして、Snapchatではダンキンドーナツの店舗でのみ使えるオリジナルのジオフィルターを配信しました。
キャンペーンの認知度増加のため、他プラットフォームを活用するとインスタグラムのフォロワー以外にもキャンペーンの存在を通知できます。これをきっかけにインスタグラムでも企業アカウントをフォローする可能性がでるので、フォロワー増加も期待できます。
3.アクアビーズのハッピーバレンタインキャンペーン
インスタグラムでは、お題を決めて写真を投稿してもらうキャンペーンがよく開催されます。このようなキャンペーンでおすすめしたい手法が、自社製品を使用した写真をお題にすることです。
例えばお菓子を販売している企業なら新製品を食べている場面をお題にすることで、SNS上に多くの消費者が新製品を食べている写真を投稿し、製品の魅力が伝わる広告効果が期待できます。
画像出典:アクアビーズ
アクアビーズは水でくっつく子供に人気のビーズ製品であり、同社のインスタグラムで自社製品を使用した写真コンテストを開催しました。
応募する写真はバレンタインでチョコと一緒に送りたいアクアビーズ作品を撮影したものです。インスタグラムで同社のアカウントをフォローするだけでもキャンペーンに参加できますが、写真とともに「#アクアビーズ」と「#バレンタイン」というハッシュタグをつけて投稿することで当選率が2倍になります。
応募者の作品は閲覧者にアクアビーズを活用するインスピレーションを与えて、アクアビーズを購入する意欲を大幅に増加させます。このキャンペーンのようなユーザー生成コンテンツは、ユーザーが作成した製品カタログのような影響を与えるのでおすすめです。
バレンタインデーに人気だったインスタグラムのハッシュタグ
インスタラボを運営しているFind Modelでは、「ハッシュタグAI分析」によるインスタグラムキャンペーンに最適なハッシュタグを提案しています。
今回、その分析機能を活用し、バレンタインにおけるインスタグラムのハッシュタグトレンドについて調査した結果を紹介します。
インスタラボ監修のハッシュタグAI分析については、以下のインスタグラムの人気ハッシュタグを調べるのに役立つおすすめツール3選の記事にて詳しい機能などを紹介していますので、是非ご覧ください。
※尚、調査は本メディア「インスタラボ」を運営するFind Modelのグループ会社であり、記事調査サービスを運営している「アットクリッピング」による調査結果をサマリーとして紹介しています。調査結果についての詳しい数値や内容は以下の記事にてご確認ください。
参照:【Instagramハッシュタグ分析レポート】平成最後のバレンタインデーもやっぱり「友チョコ」が最多!今年の急上昇トレンドは「ご褒美チョコ」「ルビーチョコレート」|Social Wire
バレンタインのインスタグラムハッシュタグ調査条件
今回、バレンタインに向けたインスタグラムのハッシュタグ分析を行うにあたり、以下の条件で調査を行いました。
■調査方法/サマリー
・調査期間 :2019年1月20日(日)~1月31日(木)
・調査対象 :調査期間中にInstagramにてバレンタインデーに関連する【#バレンタインデー、#バレンタインチョコ、#バレンタインチョコレート】および前年同期間に「#〇〇チョコ」の中で投稿数の多かった【#自分チョコ、#友チョコ、#義理チョコ、#ご褒美チョコ、#本命チョコ、#逆チョコ、#俺チョコ、#感謝チョコ】を分析。
※メーカーのオフィシャルアカウント等は対象外
・総投稿数 :9,677件(前年同期比184%)
・総フォロワー数 :19,759,541人
(最多フォロワー数250,133人:@insta.sayaka)
・総いいね!数 :1,123,182件
(最多いいね!投稿6,081件:@mari6260707)
・総コメント数 :21,899件
(最多コメント投稿202件:@ri7tin1025)
・平均エンゲージメント率:5.80%
(フォロワー数1,000人以上の最高エンゲージメント率107.35%:@marzipanartist.saya)
※各数値は2019年1月31日時点引用:【Instagramハッシュタグ分析レポート】平成最後のバレンタインデーもやっぱり「友チョコ」が最多!今年の急上昇トレンドは「ご褒美チョコ」「ルビーチョコレート」
バレンタインデーに人気だったインスタグラムのハッシュタグ調査結果と分析
以下、調査結果を紹介していきます。
バレンタインのインスタグラムハッシュタグは「#友チョコ」が大人気
「#〇〇チョコ」での調査によると、人気ハッシュタグは以下のような結果となりました。
1位「#友チョコ」
・総投稿数 :1,046件(前年同期比102%)
・総フォロワー数 :2,671,587人
・総いいね数 :149,622件
・総コメント数 :2500件
・平均エンゲージメント率:5.69%
・最多投稿ブランド :BRUYERRE(12投稿)
2位「#自分チョコ」
・総投稿数 :674件(前年同期比130%)
・総フォロワー数 :1,303,198人
・総いいね!数 :72,440件
・総コメント数 :1,563件
・平均エンゲージメント率:5.68%
・最多投稿ブランド :AUDREY(39投稿)
3位「#義理チョコ」
・総投稿数 :486件(前年同期比103%)
・総フォロワー数 :527,999人
・総いいね!数 :41,017件
・総コメント数 :732件
・平均エンゲージメント率:7.91%
・最多投稿ブランド :GODIVA(8投稿)
以下、4位「#本命チョコ」、5位「#ご褒美チョコ」と続きます。
2019年のバレンタインデーは「#友チョコ」が最も人気のハッシュタグという結果になりました。特に、手作りチョコの投稿はいいね!やコメントなど多くの反応を得やすい傾向にあるようです。
「#友チョコ」で最もハッシュタグがついたブランドの「BRUYERRE」は、同じ投稿内で「#友チョコ」以外に「#本命チョコ」のハッシュタグを12件の投稿すべてにつけており、「#本命チョコ」からの流入を狙っていることが伺えます。
自分用にチョコレートを買う「#自分チョコ」も前年に引き続き人気が高く、各地で開催されたバレンタインフェアの会場で「#自分チョコ」として、ソフトクリームを食べている投稿が25件も見受けられています。このような投稿は「#ご褒美チョコ」でも11件見られており、チョコを購入して帰るだけではなく、バレンタインデーをきっかけに美味しいスイーツをその場で食べたいという女性の心理が表れていることが読み取れます。
バレンタインは友チョコ・義理チョコのばらまき系から自分へのご褒美・本命チョコへシフト
2019年、インスタグラムの国内普及を追い風に、バレンタイン関連のハッシュタグが付いた投稿は前年同期比で184%と大幅に増加しています。
特に、「#自分チョコ」(130%)、「#本命チョコ」(188%)、「#ご褒美チョコ」(204%)が投稿数を大きく伸ばしています。多数の人にチョコレートを渡す「義理チョコ」や「友チョコ」から、自分へのご褒美や本命の恋人や家族へ限定し、手作りチョコレートや「GODIVA」等の高級志向、「AUDREY」等のインスタ映えするフォトジェニックな話題性も高いチョコレートを渡す傾向が見受けられます。
人気インフルエンサー・インスタグラマーによるPRも
インスタグラム上で反応の高い投稿は「#PR」が付いた投稿も多く見受けられました。
SNSを通した購買喚起施策である「インフルエンサーマーケティング」に注目した各ブランドメーカーがインスタグラムを活用したインフルエンサーPRに予算をかけていることも影響を与えているようです。
SNSを活用したインフルエンサー(インスタグラマー)マーケティングについては、
の記事にて詳しく解説していますので、併せてご活用ください。
第4のチョコレート「#ルビーチョコレート」「#ルビーチョコ」もトレンドが急上昇
本調査では対象外でしたが、前年から発売されたダーク、ミルク、ホワイトに続く“第4のチョコレート”である「ルビーチョコレート」の人気も高くなっています。
ルビーチョコレートは前年(2018年)同時期には投稿がありませんでしたが、2019年はバレンタイン前にもかかわらず「#ルビーチョコレート、#ルビーチョコ」で101件の投稿があったようです。
見た目がピンク色でラッピングも可愛いくフォトジェニックであることがインスタグラム上で人気が高まっている要因なのでしょう。
今後のバレンタイン商戦における新カテゴリーとしてさらに注目されることが予想されます。
バレンタインのインスタグラムキャンペーン成功の秘訣は「事前リサーチ」と「ハッシュタグ活用」
バレンタインは注目度の高いイベントとなりますので、その時期は検索からキャンペーンを知ってもらえる機会が多くなります。
キャンペーンがきっかけで企業認知度が増加するということはよくありますので、チャンスを逃さないように自社のターゲット層にあったユニークなキャンペーンを開催しましょう。
そのためにも、
- 自社のブランドがInstagramでどのような人に、どの程度、どのように露出されているのか
- 競合がどのように露出されているか
- 自社ブランドにロイヤリティが高いコアなファンのアカウントはどれか
をあらかじめ把握することが大切です。(あなたは把握できていますか?)
リサーチを通して自社や競合、ターゲットを取り巻く状況を把握することは、キャンペーン・PR戦略の効果を最大化させるうえで非常に重要になります。
上記項目のリサーチが必要でしたら「@クリッピング」を活用することにより、とても早く詳細なリサーチ・レポーティングが可能ですので是非ご活用ください。
さらに、インスタグラムキャンペーンはオリジナルハッシュタグやハッシュタグ選びの適切さによっても効果が大きく変わります。
ハッシュタグの選定テクニック、オリジナルハッシュタグ作りで絶対やってはいけないポイントなど、キャンペーンに欠かせないノウハウはInstagramで人気投稿になるハッシュタグの効果的な付け方・選び方を徹底解説の記事で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
その他のInstagramキャンペーン事例や役立つ記事へのリンクは【年間・シーズン】Instagramキャンペーン・プロモーション事例リンク集の記事にてまとめていますので併せて是非ご活用ください。