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ソーシャルメディアの広がりに伴って、アンバサダーマーケティングやインフルエンサーマーケティングと呼ばれる手法がデジタルマーケティングに登場しました。

どちらも企業が直接消費者に対して訴求を行う旧来型のマーケティングと異なり、インフルエンサーまたはアンバサダーがSNSやリアルな口コミを通じて企業のブランドや商品の魅力を発信するものですが、それぞれ定義や利点などが異なっています。

そこで今回は、アンバサダーマーケティングとインフルエンサーマーケティングの違い、メリット・デメリットなど事例も交えながらご紹介していきたいと思います。

アンバサダーとは

アンバサダー(Ambassador)を和訳すると「大使」という意味になります。最近では著名人や芸能人などがブランド大使として任命される時などに使われています。

SNSのキャンペーンなどで「アンバサダー」という言葉が多く使われるようになりましたが、商品や製品を応援する個人のことを指す場合に多く使われています。意味合いとしては「ロイヤル・カスタマー」と近いニュアンスとして使われるケースが多いです。

アンバサダーは、特定の商品やブランドについて強い愛情を持ち、「自発的に」クチコミを発信するいわばその商品やブランドの「ファン」といえる存在です。そのため必ずしも有名人や芸能人である必要はなく、ファンという立ち位置から1個人がTwitterやFacebookなどを通して、周りの人に商品のよさを伝えてくれます。

アンバサダーマーケティングの手法

ファンであること自体に付加価値を持たせるのがアンバサダーマーケティングです。熱烈なファンであるアンバサダーは、純粋に企業のブランドや商品を応援する顧客です。そうした顧客を自社のブランドの「大使」として任命することで、任命されたファンにとても栄誉であるという価値をもたせます。任命したアンバサダーに自身のSNSなどで熱意をもった応援をしてもらい、口コミを広めてもらう手法がアンバサダーマーケティングです。

手順としては顧客の中からアンバサダーとなってくれる人を見つける必要があります。アンバサダー予備軍となる顧客グループには、予備軍からアンバサダーに昇格するようなキャンペーンを実施して獲得していきます。その後アンバサダーには、口コミなど情報拡散できる情報を提供します。

インフルエンサーとは

アンバサダーとよく比較されるインフルエンサーは、主にSNSなどで強い影響力を持ち、フォロワーに影響を与えるような役割を持ちます。アンバサダーは影響力を持つ範囲を問いませんが、インフルエンサーの場合一定の人数に対して影響力がある人のことを指し、その結果有名人や芸能人など知名度が高い人がイメージされます。

インフルエンサーマーケティングの手法

企業は自社のマーケティング戦略を元に、インフルエンサーと契約します。多くの場合、自社のターゲット顧客層からフォローされていて、それらのフォロワーからの反応(エンゲージメント)が高いインフルエンサーが起用される場合が多いです。インフルエンサーマーケティングもアンバサダー・マーケティングと同様に、長期的に自社のファンになってくれるような顧客を獲得していくことがゴールです。そのため選んだインフルエンサーに消費者と自社の間を繋いで、信頼と共感を生み出してもらうように働いてもらうことが理想的です。

アンバサダーとインフルエンサーの違い

アンバサダーはその商品やブランドに対して強い情熱があれば、影響を与えることができる人数はあまり関係が無い一方で、インフルエンサーは影響を与えられる人間が多い人のことを指します。(影響力によって、パワーインフルエンサー、マイクロインフルエンサーなどと表現されます)

近年、影響を与えられる指標として「SNSにおけるフォロワー数」が注目されますが、その商品を魅力的にフォロワーに伝えることが出来なければ、結果として影響を与えることが出来ず、結果として目的を達成することが出来ません。

アンバサダーを活用するにせよ、インフルエンサーを活用するにせよ、「何人に」「どの程度」影響を与えられるかを意識することが大切です。

アンバサダーマーケティングのメリット・デメリット

・熱意のある口コミで自然によさをアピールしてもらえる
・インフルエンサーと比較するとリーチできる人数は小さい

アンバサダーを活用するポイント

アンバサダーの自発的な発信をサポートすることがで大切です。そのため企業が発信して欲しいことではなく、アンバサダー自身が使ってみた経験談や感想を発信したり、自らの意思で新しい用途提案をしてもらったりすることでよりリアルで熱のこもったカタチで魅力を伝えてもらえやすくなります。

インフルエンサーマーケティングのメリット・デメリット

・多くの人にリーチすることができる
・インフルエンサーとの間にはいる担当者が適切なキャスティングやディレクションが出来ないと、仮に多くの人にリーチをしたとしても影響をあたえることが出来ない。

インフルエンサーを活用するポイント

インフルエンサーを活用するには企業に適したコンテンツ・クリエイターを探す必要があります。インフルエンサーマーケティングの手法でも説明したように、自社の魅力を届けたいターゲットから支持されているインフルエンサーを選定することが重要です。

インフルエンサーの発信するコンテンツが多くのリーチと反応を得られるようサポートしたり、キャンペーンの施策時にはポイントを的確に伝えたりなどインフルエンサーと協力してコミュニケーションをはかることも大切です。

アンバサダーマーケティングとインフルエンサーマーケティングどちらが有効かということは、どういう目的でキャンペーンを行いたいかによって一概に言えません。広くスピード感を持って新規のブランドを周知していというようなケースでは、多くの人にリーチさせるインフルエンサーの起用が有用でしょうし、長い時間をかけて商品に愛着を持ってもらえる人を増やしていきたいと考えるならアンバサダーを増やすことがいいかもしれません。自社のゴールや状況に応じ判断しましょう。

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アンバサダーマーケティングの事例

ネスカフェアンバサダー

画像引用:ネスカフェアンバサダー公式サイト

ネスカフェのCMでもお馴染みのネスカフェアンバサダーは、アンバサダーとして登録して審査に通ればネスカフェ ゴールドブレンド バリスタマシンなどが無料でオフィスに提供されるシステムです。1杯20円~本格的なコーヒーが味わえると好評で、30万人を超えるアンバサダーを獲得しています。1人の職場でも申し込めるため、美容室や病院などでも申し込みが可能です。

サイトから行う申込はネスレ会員登録、30文字以上の希望理由の入力の後審査があり、通過すればアンバサダーとして認定されます。アンバサダーとしては次のようなことが課されています。

・職場などで、みんなで楽しんでいる様子の写真投稿

・アンケートへの協力

アンバサダーの皆さんは公式サイトやTV CMといったメディアでも本人たちが取り上げられています。公式サイト上では「先輩アンバサダーの“いいこと体験談”! 」としてJAF東京支部 ネスカフェ アンバサダーさんの声などが紹介されています。

その他の事例も当サイトのコンテンツ「有名企業も実践中!アンバサダーキャンペーンの事例10選」などにまとめていますのでぜひご覧ください。

さいごに

20世紀の企業から情報発信するマスマーケティングから、21世紀のソーシャルメディアから個人が情報発信する時代へと移り変わりマーケティングの世界も大きく転換しています。

ソーシャルメディア時代の情報伝達や消費行動プロセスは、「発信力のある個人」からの情報が世の中に影響を与えていくようになったのです。そうした変化を敏感にとらえて、ぜひアンバサダーマーケティングやインフルエンサーマーケティングという新しい形のマーケティング手法を自社にも取り入れていってください。

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