モノづくり大国日本。
日本は多くの大手メーカー企業が存在し、どんどん便利な製品を提供しています。
その製品の魅力をインスタグラムを通してユーザーへ上手に伝え、購買までつなげている効果的なアカウント運用をしている企業もたくさんあります。
今回は、様々な業界の大手メーカーに注目して、インスタグラム企業アカウントの上手いポイントを学んでいきます。
海外の大手メーカーの事例も研究していますので、インバウンド向けに販売を拡大したい場合など、参考にしてください。
メーカーがインスタグラムアカウントを運営するメリット
ここではメーカーがインスタグラムアカウントを運営するメリットを紹介しましょう。
ファンの増加で売上アップ
インスタグラムは見込み客を獲得して顧客に変えるチャンスの場です。
インスタグラムアカウントをきっかけに企業の存在を知り、企業アカウントをフォローしてもらいます。インスタグラムから情報を得て、製品の購入をしてくれる消費者も少なくありません。
インスタグラムを運営することでファンを獲得し、結果的に製品の売上増加につなげることがでるメリットがあります。
露出度増加で企業認知度アップ
公式アカウントが実施しているキャンペーン参加のためにユーザーがコンテンツを投稿してくれれば、ソーシャルメディアで企業に関連したコンテンツが増えます。
インスタグラム上で企業の露出度が増えることになり、多くの人に企業の存在をアピールできることも大きなメリットです。
ユーザー生成コンテンツを活用したキャンペーンは企業認知度増加に大きく貢献します。
自社ブランドのイメージアップ
自社のブランディングがしやすいこともメリットの一つです。
ブランドコンセプトがしっかりしており世界観が統一されたインスタグラムアカウントは多くのユーザーを魅了し、ファンとして継続的に接点をもつことができるようになります。
ブランドへの理解も深まり、最終的な購買への教育をほどこせることもポイントです。
日本メーカーのインスタグラム企業アカウント
日本の企業、メーカーのインスタグラムアカウントはどのような点を意識しながら運用されているのでしょうか。
ここでは、各業界ごとに自分のアカウントに取り込みたいポイントを紹介していきます。
日本の食品メーカー(エバラ食品)のインスタグラム企業アカウント事例
「黄金の味」や「すき焼きのたれ」でお馴染みのエバラ食品のアカウントでは自社製品の紹介として、自社製品を利用して作った料理画像や動画をレシピ・作り方の工程とともに投稿しています。
自社商品を利用した料理写真や動画を投稿し、作り方が解るようにレシピをコメント欄に記載することで、実際に商品を買って料理をつくってみたいというユーザーの購買意欲を高めることができます。
こうした点は食品メーカー・企業の自社商品ブランディングの基本であり、押さえておきたいポイントです。
また、画像のシズル感は非常に重要なポイントのため、撮影前や投稿前の編集で意識して調整するようにすると良いでしょう。
調理開始から完了までの様子をわかりやすく手短にまとめた動画は人気のため、積極的に取り入れるのも一つの手です。
そのうえで、どのような投稿がユーザーの反応が良かったのか、どのようなハッシュタグを使えば自社製品に興味関心のあるユーザーに投稿が届くのかを分析しながら投稿を続けることがポイントです。
日本のお菓子メーカー(森永製菓)のインスタグラム企業アカウント事例
ホットケーキミックスでお馴染みの森永製菓のインスタグラムアカウントでも同様に、自社製品を使って調理した画像を掲載し、コメント欄にレシピを載せて投稿を行っています。
アカウント名と同じハッシュタグ(#エンゼルカフェ)を付けて投稿を行うことで、自社のアカウントを知っているユーザー(ファン)の囲い込みが出来ている点が押さえておきたいポイントです。
食品メーカー、食品企業だけに留まらずどのマーケティングやキャンペーンでも同じことが言えますが、自社だけのユニークなハッシュタグを使用することで、既にキャンペーンや自社アカウントを知っているユーザー、つまり自社のファンへのアプローチも大切にしておくべきでしょう。
特にInstagramやTwitterなどのSNSはファンとの距離感の近さがメリットになりますので、その距離感を最大限に活かせるように運用を行えるようにベース作りをしておくと良いでしょう。
他にも食品・外食業界のインスタグラム活用事例まとめの記事で優良な事例を紹介しているので合わせてご覧ください。
日本の玩具メーカー(TAMIYA)のインスタグラム企業アカウント事例
※再生時の音量にご注意ください
プラモデルやミニ四駆、ラジコンなどの玩具で有名なメーカーTAMIYAの公式アカウントでは、このように手作りのコースで実際にラジコンを走らせたイメージを動画で投稿しています。
動画で投稿することでユーザーも実際の動きがわかり、子供がラジコンで遊んでいる動画により、子供がいる家族層を購買行動に繋げる良い投稿です。
動画投稿は静止画に比べて情報量が多く、購入へ向けた情報収集がしやすいことも強みになります。
また、フィード(タイムライン)上に表示された際に自動再生で再生されるため「閲覧」のハードルが低いことも押さえておくべきポイントのひとつです。
日本のゲームメーカー(SEGA)のインスタグラム企業アカウント事例
ゲームメーカー、SEGAのインスタグラムアカウントでも動画投稿が積極的に取り入れられています。
実際に動画でゲームのプレイ画面を見せることで、ファンのワクワク感を演出しています。
また、テレビCMや大規模なゲームイベントのレポートなども併せて投稿できるので、ユーザーへのリーチを増やすことができるのも強みです。
インスタグラムでは自社アカウントのフォロワーのみに限定したLive配信も行えるInstagram Liveの機能が実装され、活用の幅が広がりました。
ゲームメーカーの新製品のプレイ動画をInstagram Liveでフォロワーのみに限定配信することも可能で、本家オフィシャルアカウントならではのスピード感のある配信が行えるメリットがあります。
日本の不動産メーカー(積水ハウス)のインスタグラム企業アカウント事例
大手ハウスメーカーである積水ハウスでは、思わず「こんな家に住みたい」と感じるような雰囲気のある投稿が行われています。
リビングの画像であれば「#リビング」を、キッチンであれば「#キッチン」を付けて投稿するなど、ハッシュタグによって興味関心があるユーザーを切り分けることが出来るのがインスタグラムで投稿するメリットの1つです。
また、幻想的な画像を求めているユーザーが一定数いることから、「住みたい」と思わせる夢のある世界観が届けやすいことも良い点です。
不動産企業やハウスメーカーの場合、購買行動はECサイトのように即時(当日~2、3日内)ではなく、1ヶ月以上の長期検討期間があったうえで購買行動に繋がるケースが多いです。
そのため、なるべく多くの画像を投稿し、ユーザーの興味を自社アカウントに引きつけ、ファンの獲得に注力することが大切になってきます。
ハッシュタグを使ってキャンペーンを成功させるためのノウハウはInstagramで人気投稿になるハッシュタグの効果的な付け方・選び方を徹底解説の記事に詳しく書いていますので、ぜひご覧ください。
日本の自動車メーカー(TOYOTA)のインスタグラム企業アカウント事例
世界的にも有名な自動車メーカーであるTOYOTAのインスタグラムアカウントでは、自社の自動車と風景を組み合わせた幻想的な世界観をユーザーに届けています。
フォトジェニックな写真や動画を投稿するのはインスタグラムアカウントを育てるうえで基本中の基本となります。
世界観を統一し、ブランドコンセプトに沿ったアカウントづくりを意識していることが読み取れます。
また、毎日投稿しているところ見習いたいポイント。
もちろん、むやみやたらに適当な写真を毎日投稿していてもファンは寄り付きませんが、ブランドイメージを維持し、ファンを飽きさせない地味な努力は見習うべき点です。
実際、インスタグラム上で顧客との接点が多くなるため、購入を考えているユーザーに刺さりやすくなる効果もあります。
海外の企業、メーカーの有名アカウント
インバウンドの観光客向けや、ECサイトなど、日本に限らず世界視点でビジネスを展開している場合も参考になる点は非常にたくさんあります。
日本でも有名な海外メーカーのインスタグラムアカウントも見ていきましょう。
海外の家電メーカー(ダイソン)のインスタグラム企業アカウント事例
「吸引力が変わらないただ一つの掃除機」というフレーズが日本でもお馴染みの家電メーカー、ダイソンのインスタグラムアカウントです。
近年では掃除機だけではなく、中央が大きく開いた扇風機や風の力で勝手に巻き付くヘアアイロンなども話題になっています。
画像は新製品のヘアドライヤーの紹介をインスタグラムで行った際のもので、新商品のお披露目と、従来のヘアドライヤーとは大きく異なる構造を見事に活かしたユーモアのある投稿になっています。
企業やメーカーのインスタグラムアカウントにおける商品紹介を兼ねた投稿は、ユーザーのいいね数などの反応から自社商品に対する期待値がザックリと見えるため、特にメーカーにおいては自社商品の投稿は重要なポイントと言えます。
フォロワー数が多いアカウントでは、投稿へのリアクションも大きいため自社のファンを含めたユーザーがどのような商品を好むのかという判断材料(データ)を集めるための窓口になります。
また、投稿に対していいね!などのリアクションを行ったユーザーがどのようなハッシュタグを普段から利用しているのか、どのようなユーザーをフォローしているのか分析していくことで、フォロワーを含めた自社商品に興味関心のあるユーザーがどのような競合の製品やハッシュタグに引かれているのかという情報収集を行うこともできます。
ですので、企業やメーカーにおいて自社製品の投稿を行うことは基本的なことであると同時に、重要なポイントとなります。
海外のファストフード食品メーカー(マクドナルド)のインスタグラムアカウント事例
マクドナルドのインスタグラムのタイムラインは非常にユニークでアイデアの宝庫と言えるタイムラインであり、新機能を取り入れるスピード感や効果測定・検証の姿勢はぜひ取り入れたいところです。
例えば上記のような動画投稿を例として挙げると、2013年のローンチ開始当初の投稿では10秒以上の比較的長めな動画を投稿していました。
その後、10秒にも満たないわずか5秒程度の見やすさを重視した動画へシフト。よりインスタグラムのタイムラインでの見やすさを重視した投稿で、激しい音楽と共にめまぐるしくシーンが変わる動画、大人しい印象でストーリー仕立ての動画を投稿するなどユーザーの反応を検証している様子が見て取れます。
その後、ストーリー仕立ての投稿の反応が良かったことで何本ものストーリー仕立ての動画を配信し、最近ではループ動画やミニチュアサイズのハンバーガー(マイクロマック)を作成する動画などユニークな表現でファンを飽きさせない投稿を行っている点は、ぜひとも取り入れたい運用方法だと言えます。
海外の飲料メーカー(ペプシ)のインスタグラムアカウント事例
海外の飲料メーカー、pepsiのインスタグラムアカウントでは思わずペプシを飲みたくなってしまうようなシチュエーションや、シズル感を重視した投稿が多い印象です。
特に飲料メーカーの場合、自社製品が数百円で買える手軽な商品であるため高単価商品と比べて購買行動が起こしやすいことから、シチュエーションやシズル感を重視することは非常に大切なポイントであると言えます。
こうした自社商品の強みを上手く投稿に反映し、アカウントの運用に繋げている点が学べるポイントと言えます。
海外の自動車メーカー(フォルクスワーゲン)のインスタグラムアカウント事例
海外でも日本でも有名な高級車メーカー、フォルクスワーゲンのインスタグラムアカウントでもやはり近年増加してきている動画投稿が目立ちます。
動画投稿の利点は、静止画と比べて多くの情報をユーザーに届けることができること。そして、見ているユーザーを飽きさせないこと。更に、自由度の高い表現やPRが行えることです。
上記の動画はインスタグラムへの投稿ではやや長めの尺ですが、高級自動車メーカーならではの高級感がある動画構成となっています。
また、自社メーカーや自社企業の投稿をインスタで行う最大のメリットとして、自社のファンやアカウントを見たユーザーに対して何のPR費用もかけずにまるでCMのような動画を視聴してもらえる機会を与えることができることです。
これは自社企業のアカウントにおけるファン数(フォロワー数)が多いほどメリットの最大化が図れる、SNSならではのPR方法であるといえます。
同時に、露出機会の多いハッシュタグを利用するなどで自社のファン以外のユーザーにも投稿を見てもらえる機会が作れることもメリットといえるでしょう。
海外のカメラメーカー(キャノン)のインスタグラムアカウント
日本でも有名なカメラメーカーであるCannonのUKアカウントでは、プロフィール欄を利用してユーザー投稿を促しています。
CannonUKを例に挙げると、プロフィール欄に#liveforthestory を入れて写真を投稿するようにユーザーに促しており、実際に#liveforthestory でハッシュタグ検索を行うと66万件を超える投稿が出てきます。
Instagramでは写真に自社アカウントへのタグ付け(自社アカウントへの導線)が行えるため、例えば#liveforthestory 全ての投稿に自社アカウントへのタグが付いていれば、自社アカウントの投稿の他に66万もの入り口ページを持つことが出来たことになり、その影響力は非常に大きいものとなります。
また、こうした手法を行う場合は上手くユーザーが投稿してくれる環境作りがポイントになります。
CannonUKなどカメラメーカーのインスタアカウントでは、フォトコンテストを開催してユーザーの投稿を促すという方法が多く見られますが、そういったキャンペーンでユーザーを集め、集めたユーザーを窓口にして更にユーザーを獲得していくことが、効率の良い運用に繋がるとともに自社のブランディングにもなっていくため、ぜひとも取り入れておきたい方法です。
まとめ
いかがでしたか。
実際に人気の企業アカウントは、写真が洗練されている、ハッシュタグを上手く使っている、投稿頻度が多い、ユニークな施策を行っているといった特徴が垣間見えます。
もちろん、高品質の製品があってのものですが、ユーザー視点に立ち、どうやったら製品を上手く伝えられるか、受け入れてもらえるかを常に考えて検証しています。
先人の成功ノウハウはどんどん吸収して、自社アカウントの成長のための糧にしていきましょう。
インスタグラムを活用したキャンペーン事例14選を徹底解説の記事では、実際に企業アカウントが行ったキャンペーン事例を載せていますので、そちらもあわせてご覧ください。