※本コンテンツは【後編】です。
前編では、
- 人気ユーチューバーが語るYouTube動画作成のコツ
- 人の興味を引くサムネイルや動画のネタ
- YouTubeやユーチューバー市場の成長について
- 大物ユーチューバーになれる人となれない人の違い
- 芸能人とユーチューバーの違いと優位性
について深く掘り下げています。
後編(本記事)ではさらに一歩踏み込み、
- 人気ユーチューバーが「これは上手い!」と感じたYouTubeマーケティング事例
- 人気ユーチューバーが企業からPR依頼を受けるときに意識しているポイント
- YouTubeで反応が良いRP動画と反応が悪いPR動画の特徴
- SNSはユーザーの購買活動に影響を与える
- YouTubeを活用したPRと親和性の高い商材とは
など、人気ユーチューバー視点からのYouTubeマーケティングの本音をまとめています。
登壇インフルエンサーの紹介など、前編はこちらからご覧ください▼
[前編]人気ユーチューバーに聞くYouTubeマーケティングとウケる動画制作のコツ
目次
YouTubeで反応が良い動画と反応が悪い動画の特徴
ここからさらにYouTubeマーケティングについて、詳しく伺っていきたいと思います。
藤子さきさんの場合、PR動画を作りやすい商材はやはりコスメ系などが多くなってくるのでしょうか。
私の主な動画ジャンルはコスメ・美容系なので、やはりコスメの動画は結構作りやすいですね。
みんなが好きなデパコス(デパートコスメ)とか高級なメイクとか。例えばディオールやシャネルのように、やっぱり憧れているブランド品ってどういうところが良いのかみんな気になるんです。みんな好きですしこちらとしては作りやすいですね。宣伝感が出にくいですし。
あとはダイエット動画も結構反応がよかったです。ワークアウトとかダイエット系の動画も結構作りやすいですね。
PRをする際にユーザからの反応が良い商材、PR動画でユーザーからの反応が良い動画や悪い動画の特徴などあったら教えていただけますか。
高価だったりして自分では手を出せないものや簡単に手に入れられないようなものをレビューする時はユーザからの反応が良いですね。例えばみんなが知らなかったようなプロダクトができたときにそれを知り得る機会として私がその動画を出すとか。
直近だと、すごい画期的なアイテムだと思ったんですけど、スポーツ用のコスメですね。案件をいただいた時にこれはとても珍しいなと思えてすごい作りやすかったですね。汗でも落ちにくいし、ウォータープルーフだし、ジムとか行った時にもかさばらないなど。
印象が悪い動画というのは、色々な人がすでにやっているものです。例えば時計とか、その商材があまりにも多くの人が宣伝しすぎていると見ているユーザもわかるんですよね。「またか」と言う感じになりユーザーも飽きてしまう。
そうなるとユーザから良い反応は得られないですね。
人気ユーチューバーが「これは上手い!」と感じたYouTubeマーケティング事例
やはりPR感が強くなるとユーザーの皆さんも離れていってしまいますね。いかに自然にPRを行うかがYouTubeをはじめとしたSNSマーケティングで求められる部分ですが、とても上手にPRしている例や参考にしている方などいらっしゃいますか。
海外のユーチューバーさんの動画投稿がすごく参考になりました。ルームツアーという形で紹介されてるんですけれども、動画の尺の長さに対して宣伝がすごい短いんです。
実はGoogleさんのPRとしてやっていたんですけれど、部屋を紹介するときにGoogleの音声機能を使って検索をしていたりするんです。例えば廊下を歩いていた時に「Hey! Google!」みたいな。それもすごい自然にナチュラルに入っている。
これは見ているみんなもルームツアーとして見ることができるし、そこでGoogleの宣伝がナチュラルに出てくるけど違和感なくPRすることができる。すごい上手い方法だなと思いました。
自分の家の中を案内する「ルーム(ハウス)ツアー」をメインとして、企業製品が所々でさりげなく紹介されているYouTube動画▼
https://www.youtube.com/watch?v=LnnVnbJDHjY
YouTubeをはじめとしたSNSはユーザーの購買活動に影響を与える
PR動画なのにメインがルームツアーで商品の紹介は少ないのですごい楽しく見られる動画ですね。
こうした他のユーチューバーさんの動画を見て、「これいいな!」と思って商品を買ったりサービスを利用したり、PR動画が購買につながったような経験はありますか。
ありますね。YouTubeの良い点としては正直なレビューが伝えられることだと思っていて、私は海外にいた時に海外のユーチューバーさんが紹介していたアイシャドウを買った経験があります。
すごい綺麗で目に塗ったところも映像で出されていて、こういったアイシャドウでこういうメイクができるんだと思って欲しくなってたくさん購入しましたね。
YouTubeではコスメ系動画も結構多いですよね。
そうですね。値段も結構高いものがあって、例えばディオール5000円でしたといってもパッと買ってみようとはならないと思うんですよね。普通の金銭感覚だったら。失敗したくないですし。
できればみんなが良いっていうものを買いたいからレビューをよく調べてますね。例えば新作だったらどういった良いところがあるんだろうとか、そういう時にユーチューバーが率先してレビューしてくれているから助かるんです。
企業から商品提供されていることもあるけれど、商品について正直なレビューをしてくれるのでそれに基づいてみんな買おうという気持ちになります。
YouTubeのPR動画制作はけっこう大変
企業からPRを依頼される場合はすでに絵コンテなど動画の構成等がほぼ決まっていて依頼されるような形になるのでしょうか。クライアントと打ち合わせの上すり合わせしていく形になるのでしょうか。
絵コンテは決まってないことが多いですね。
大体ははじめにオリエンシートを準備してその内容に沿って動画を作ります。オリエンシートには企業の要望が一通り書いてあるのでそれを取り入れて動画を作ります。
相手の意図している内容とずれないように動画を作る前に「こういう形で動画を作りますがよろしいでしょうか」と確認を取りつつ動画を制作しています。
内容について詳細な打ち合わせをすることはたまにありますね。例えば3回に分けて投稿するとか、そういう場合は最初に詳しく打ち合わせをします。
自分でつくる動画に比べて企業からオリエンシートをもらって作る動画は難しいようなイメージですが、いかがでしょうか。
難しさという点では、企業からのPR案件の方が大変かなという印象はあります。
PRで動画を作る場合はよく規約があるんですね。たとえば薬事法とか。それに必要な情報を盛り込んでちゃんとした発言をしなくてはいけない。
言ってはいけないこととかをオリエンシートを見ながら確認したり、テロップを入れるときも商品名とかブランド名とか正確に表記できているかなど、細かい制約があったりするので、時間がかかって大変だったりします。
YouTubeを活用したPRと親和性の高い商材とは
藤子さきさんもいろいろなYouTubeの広告を見ていると思いますが、これはYouTubeでやったほうがInstagramとかよりもいいのにと言うような商材などはありますか。
これは人を選ぶものなんですけれども、個人的にこれはやったほうがいいなと思うのは確定申告のソフトとかです。どういった税金がかかるのかとか、わたしも国税庁のサイトから申請しようとしたんですけれど、よくわからなくて。
こういったよくわからないけどやらなくてはいけないものをソフトで勝手に計算してくれるのですごい便利ですとか、あったらぜひやってみたいです。
やはり動画で伝えられる分説明が難しいような商材でも丁寧にわかりやすく伝えられるのは動画ならではのメリットですね。
そうですね。後々見てもわかりやすいですし、例えば私が言い間違いした時とかも編集で消すことができますし。文字起こししてテロップ打ってまとめることによって見ているユーザにもわかりやすくなって理解してもらえますし。
人気ユーチューバーが企業からPR依頼を受けるときに意識しているポイント
企業からPR依頼を受ける前にこれだけは気をつけなくてはと意識している事はありますか。
明らかに違うと分かっていることについてはお仕事を受けないようにしています。
例えば、商材が「置き換えダイエットドリンク」だとして、1日そのドリンクだけを飲んで痩せましたといっても、それはただ食事を抜いているだけで飲み物だけを飲んで体重が減るっていうのはあたりまえなんですね。
それを「痩せました」と言ってPRしてくださいと言われても、それは体重が減っているだけで筋肉が落ちている。
ちゃんと私の中でも納得ができて、オススメできるものでないとPRのご依頼をお断りすることもあります。
※置き換えダイエットとは、普段の食事の一部をダイエット食品に置き換えて生活するダイエット法。ここでの藤子さきさんのお話しはたとえ話です。
企業からの動画作成のリクエストで少し困ったといったようなものはありますか。
基本的にはお仕事に手を付ける最初の段階でチェックしているのであまりないんですけれども、オリエンシートに書いていないようなことを後から追加してくるとかは少し困ります。
最初に書いて欲しいなとは思いますが、お仕事ですしちゃんと修正はします。
少し難しい話になりますが、お仕事の契約についても確認が必要だと思いますが、契約形態としてはどういうものが多いのでしょうか。併せて動画の知的所有権はどのように持つのかなど伺いたいです。
日本の場合はマーケティング契約という形態が多いです。大体の場合、著作権も事務所のほうに帰属しています。私もそうで、私が所属している期間は事務所のほうに著作権を渡す形です。私が事務所を離れればその後に作られたものに関しては私の所有物になります。
スポンサーから依頼されたものに関しては後々2次利用するなどの情報をオリエンシートにあらかじめ記載していただいてます。事務所の方で動画を2次利用する場合なども基本的にオリエンシートの時点で決めていますね。
成果報酬型のアフィリエイト案件も最近増えてきていますが、アフィリエイトに関してどのような意見をお持ちですか。
アフィリエイトは、視聴者の購買意欲を刺激しないといけないので難しく、私はあまり自信は無いですね。
アフィリエイトは出来高制で報酬が不安定になるため、一般的な報酬額が決まっているPRの方が慣れていますしプレッシャーも少ないので依頼を受けやすい印象です。
人気ユーチューバー藤子さきさんの目標
今まで携わったPRの中で思い出や印象に残っているPR案件とかありますか。
私の好きなコスメの会社さんからPRのご依頼をいただいた時はすごい嬉しかったですし、やる気がありましたね。
自分が使ってきた大好きなコスメだったので、親しみある企業さんとお仕事できるんだと思うとすごい嬉しかったしやっていてモチベーションも上がりました。
今後の夢やゴール目標などありましたらお聞かせいただけますか。
私のゴールが経営なんですよ。なのでこちら側と言うよりはそちら(Find Model)側に立つのが一つのゴールです。YouTubeのプロモーションについてのノウハウをユーチューバーとして学んで、後々は自分の経営するプロモーション会社を作りたいですね。
将来プロモーション会社としてFind Modelと一緒に協業できたりしたらまた面白くなりますね。
藤子さきさん、この度はお忙しいところ貴重なお話ありがとうございました。
藤子さきさん、この度は貴重なご意見や体験談をお話しくださりありがとうございました。
編集あとがき
今回は人気ユーチューバーであり、PR動画も実際に投稿している藤子さきさんからの生のご意見を伺いました。
SNSマーケティングではいかにPR感を出さないよう自然に商品を紹介するかが重要であることを再確認することができました。
また、Instagramが得意とするフォトジェニックな写真のような、見た目がインスタ映えしない商材(会計ソフトなど)も動画のメリットを生かしてPRできることもわかりました。
利用しているユーザーも多く、応用の幅がとにかく広いYouTubeの動画マーケティングは今後も加速していくでしょう。
本メディア「インスタラボ」を運営するFind Modelは、YouTubeをはじめ様々なSNSを活用したPRのプロとしてユーチューバー・インフルエンサーをキャスティングさせていただきます。
SNS、YouTubeマーケティング施策でお困りのことがありましたら、お気軽にご相談ください。