Instagramで多くのフォロワーを抱え、ユーザーから圧倒的な支持を集める「インスタグラマー」を活用し自社の製品の宣伝を行う企業が増えてきました。実際に多くの方が「インスタグラマー」が商品を自分自身のインスタグラムのタイムラインに商品を掲載する様子を見たことがあるのではないでしょうか。インスタラボを運営するFind Modelにも、インスタグラマーをキャスティングし仕事を依頼したいというお問合わせが毎日何件も寄せられています。
しかし、企業が「インスタグラマー」を活用することで得られる効果は「認知獲得」だけではありません。そこで今回は、目的別にインスタグラマーを活用する理由とその効果について、事例を含めご紹介します。Find Modelが実現した事例を中心にお伝えする、インスタラボ独占の情報満載の内容となっています。
目次
インスタグラマーとは
インスタグラマーとは、現在最も成長率の高い写真共有SNSであるインスタグラムにおいて、多くのフォロワーを獲得しているインスタグラムユーザーのことを指しています。インスタグラムは元々、20代〜30代の女性を中心にユーザー数を伸ばしていきましたが、現在では男性ユーザーや40代以上の世代も流入してきており、男性のインスタグラマーや、40代以上のインスタグラマーも増えてきています。
インスタグラマーにはそれぞれ得意とするジャンルやテーマがあり、そのジャンルやテーマを独特の世界感で演出した画像を投稿しているユーザーが多くいます。そして、そのインスタグラマーのテーマに共感してフォローを行うフォロワーも、また似たような傾向のユーザーが集まる仕組みが自然と構築されています。それ故に、自社の製品やサービスと関連性の高いインスタグラマーを活用し、自社の宣伝を行う企業が増えています。
インスタグラマーをキャスティングする5つの目的
インスタグラマーをキャスティングする目的にはどのようなものがあるのでしょうか。インスタグラマーをキャスティングしてマーケティングに活用すると言うと、多くの方が自社商品を宣伝してもらうということを考えると思いますが。しかし、沢山のフォロワーはインスタグラマーの特徴の位置側面しか表していません。ここでは、インスタグラマーを活用することで実現できるマーケティング手法を、大別して次の5つ、ご紹介します。どれもインスタグラマーの特徴や得意な分野を活かした手法であり、目的に応じて使い分けることが大切です。
インスタグラマーのフォロワーへの認知拡大
SNSで何万人、何十万人に情報を届ける影響力
インスタグラマーを活用する目的として、多くの企業が注目するのはその「影響力」でしょう。インスタグラマーの中には何万人、何十万人とフォロワーを抱える人もいます。この場合のフォロワーとは、新聞や雑誌における購読者や、テレビにおける視聴者などの、単なる「閲覧者」という意味合いを超え、その人の行動を支持し自身の行動(購買行動を含む)に影響力を持つ文字通り「follower=支持者」が多く含まれていることが特徴です。
このフォロワーに対して自社の商品やサービスの認知拡大を図るために自社の商品やサービスを(ほとんどの場合無償で)提供し、インスタグラムにインスタグラマーの撮影した写真や動画と共にリアルな感想を投稿する手法です。この場合、選定するインスタグラマーと商品とマッチング度合いが非常に大切になり、キャスティングのノウハウが求められます。
この施策を奨励する企業
- ターゲットが明確化しており、まずは認知拡大を目的とする企業
- 取扱商品/サービスがインスタ映えするものである企業
- マーケティング予算がある程度あり、刈り取り以外の予算配分が可能な企業
この施策を奨励しない企業
- ターゲットが明確化しておらず、仮説検証段階の企業
- 無形商材/サービスの企業
- 刈り取りを重視し、CPAにより施策判断を行う企業
重要視すべきKPI
- インスタグラマーのフォロワー数/リーチ数
- インスタグラマーの投稿のエンゲージメント率
認知拡大の事例(アパレルメーカー様)
商品の認知度を広めるために、ターゲットとなる世代から支持を集めるインスタグラマーに商品を提供し、使用した感想を伝えてもらう手法は有力です。投稿のタイミングで検索ユーザーが増えることを想定してリスティング広告を出稿したり、また店頭におけるプロモーションを強化したりと、クロスで施策を展開することによってその効果を最大化することを意識するとなお良いといえます。
バナー広告のCPC改善
インフルエンサーはSNS時代のクリエイターである
各種SNSの広告システムやアドネットワーク、ディスプレイネットワークを利用して、SNSのタイムラインやニュースアプリ等へのインフィード広告を出稿している企業が多いのではないでしょうか。インフィード広告の場合、そのクリック率を決定づける大きな要素として、バナークリエイティブが上げられます。特にSNSのタイムライン上においてクリックされるクリエイティブは、これまでの商業的なバナー画像とは大きく異なるノウハウを必要とします。
インスタグラマーは「フォロワー数が多い」という結果に対して注目されがちですが、ではなぜフォロワー数が多いのでしょうか。それは、インスタグラマーの投稿する写真が魅力的であり、多くの人の心をつかむからです。つまり、インスタグラマーは「SNSにおいて魅力的な写真」を撮影・加工するプロフェッショナルなのです。
インスタグラマーに自社商品を提供し、インスタグラマー独自の感性でクリエイティブを制作してもらうことにより、「SNSにおいて魅力的なバナー画像」が完成します。それを各種インフィード広告に活用することにより、これまで利用しているバナー画像と比較して何倍もの成果を出す事例が複数あります。
※インスタグラマーの制作クリエイティブの著作権はインスタグラマーにあります。二次利用については事前にインスタグラマーの合意が必要です。
この施策を奨励する企業
- インターネット上で商品を販売しており、直接広告出稿を行っている企業
- 取扱商品/サービスがインスタ映えするものである企業
- CPCの改善が事業上大きな成長につながる企業(インターネットにおける売上規模が一定以上ある企業)
この施策を奨励しない企業
- オンラインでの商品販売を行っていない企業
- 無形商材/サービスの企業
重要視すべきKPI
- ディスプレイ(バナー)広告のクリック率
- ディスプレイ(バナー)広告のクリック単価
CPC改善の事例(大手化粧品メーカー様)
インスタグラマーに物撮り(インスタグラマーの顔を移さず、商品をアレンジして写真を撮影すること)を20名のインスタグラマーへ依頼し、それぞれのアカウントで投稿を行いました。その中で、エンゲージメント率の高かった5つのクリエイティブを利用し、SNS広告を配信しABテストを行いました。その結果、従来のバナー広告と比較し、150%を超えるクリック率を実現し、CPCも70%に抑えることに成功しました。
投稿キャンペーンの活性化
インフルエンサーはユーザーの代表であり先導者である
SNSを活用した投稿キャンペーンを施策の候補にしている企業は多いと思います。
- ハッシュタグ●●をつけて投稿しよう
- リツイートが●●人を突破したら豪華賞品プレゼント
- イベント会場●●で写真を撮影してSNSにアップしよう
上記のようなキャンペーンを開催することは、もはやメジャーな手法となりつつあります。しかしこのような手法を行う企業のうち、実際に沢山の投稿を集め成功している企業はごく一部であることが実情です。多くの企業は、何ヶ月もの期間を使って企画を行い、結果として数十件しか投稿が集まらないという不幸な結果を迎えています。キャンペーンへの参加人数は次の公式で決定されます。
認知人数*参加率=参加人数
つまり、参加人数が少ないキャンペーンは、次の2つのうちどちらかが足りない場合に発生します。
- 認知人数
- 参加率
「認知人数」とは、キャンペーン開催自を知っている消費者の人数のことです。必ずしも認知の量を追い求める必要性はありませんが、自社が設定したターゲットセグメントにおける認知率が極めて低いということはザラです。認知人数が不足している場合、当然参加人数は少なくなります。
「参加率」とは、キャンペーンを認知した人間のうち、何%が実際に参加(=投稿)を行うかという割合です。参加率は主に次の2点によって決定づけられます。
- 物理的参加ハードル
- 心理的参加ハードル
「物理的参加ハードル」とは、参加をするための「直接的な」ハードルのことを指します。例えば、「40歳以上の北海道に済む女性限定」という条件が存在する場合、そもそも参加可能な人が限り無く少なくなります。また、「1万文字の感想文」というのも、直接的な参加ハードルが非常に高い例となります。これはあくまでも極端な例ですが、「25歳から35歳で●●●(自社製品)を使ったことがある人」というような条件はしばしば見受けられますし、そのハードルは企業担当者が想像する以上に高いものです。
「心理的参加ハードル」とは、参加するための「心理的な」ハードルのことを指します。例えば、「名前がちょっと恥ずかしい」「参加のために住所を入力するのがなんとなく嫌だ」などが具体例となります。これらは人によって様々ですが、その理由は多岐にわたり、その結果参加率は、企業担当者が想像するより遥かに低いです。
この2つのハードルのうち、圧倒的に高いのは「心理的参加ハードル」です。そして、それを解決するためにインスタグラマーを活用する手法は効果的です。様々な心理的参加ハードルを下げるオールマイティは「皆が参加している」ということです。参加の方法を示し、それを当たり前の行為とすることは、心理的なハードルを大きく下げます。そのため、キャンペーン開始と同時にインスタグラマーが参加をすることによって、多くのキャンペーン認知ユーザーの「参加率」をあげることができます。
この施策を奨励する企業
- 投稿キャンペーンを主催し、多くの参加者を集めたい企業
- SNSにおいてバズを生み出したい企業
この施策を奨励しない企業
- 一挙手一投足を世間から注目されている企業
重要視すべきKPI
- 投稿キャンペーンの参加率(参加数ではなく、認知人数における参加率)
投稿キャンペーン活性化の事例(アバハウス様)
投稿キャンペーンを実施する際にインスタグラマーを活用することにより、投稿キャンペーンの参加ハードルを大きく下げることに貢献しました。
ランディングページのCPA改善
SNSのリアルな声をそのまま伝える
インスタグラムにおける認知拡大が注目されがちな「インフルエンサーマーケティング」「インフルエンサーキャスティング」は、CPAを重視する「ダイレクト商材」を始めとする商材には不向きであるという認識をお持ちの方も多いと思いますが、それは施策次第で大きく変わります。昔から「利用者の声」「体験者の声」をテレビCMやランディングページで掲載する企業は多いですが、企業がキュレーションを行った感想の信憑性は十分とはいえません。それと比較すると、SNSに投稿された利用者の声をそのまま転載することは、十分な信憑性を持ちます。
インスタグラマーに実際に商品を体験してもらい、その感想をランディングページに転載することで、利用者のリアルな感想を閲覧者に届けることが可能です。
この施策を奨励する企業
- インターネット上での商品の販売やサービスの申込みを重要視している企業
- toC向けの商品やサービスを販売・提供している企業
この施策を奨励しない企業
- オフラインでの販売を前提としている企業
- 説明商品を扱っている企業
- toB向けの商品やサービスを販売・提供している企業
重要視すべきKPI
- ランディングページのコンバージョン率
- ランディングページの直帰率/閲覧時間
ランディングページのCPA改善の事例(オイシックス様)
オイシックス様の大ヒット商品「Vegeel」のランディングページにインスタグラマーがインスタグラムへ投稿したリアルな感想を転載する施策を実施しました。その結果、ランディングページのコンバージョン率が33%UPしました。売上が直接的に33%増加する施策として、大きな反響を得ました。
商品企画/キャンペーン企画
インスタグラマーは先端トレンドを知るマーケターである
インスタグラマーは、自社企画のマーケティング施策を手伝ってもらうだけの存在ではありません。インスタグラマーは企業のマーケター以上にトレンドに詳しい面も強く、特にインスタグラムを活用する世代のユーザーに関するナレッジや、トレンドについて、専門家でもあります。それ故に、企業の商品の企画や、キャンペーン施策の検討においてインスタグラマーを活用することは非常に有用です。名称や広めるための方法、その細部にいたるまで、インスタグラマーの意見を取り入れることによりその成功確率を格段に高めることが出来ます。
この施策を奨励する企業
- SNSを活用したキャンペーンを検討する企業
- インターネットを使って情報が伝達されることを狙う企業
この施策を奨励しない企業
- 営業力を活用し商品販売を広げる企業
- オフラインを中心に販促活動を行う企業
重要視すべきKPI
- キャンペーンの認知人数
- 定性的なアンケート調査等
商品やキャンペーンの企画を行う事例(リクルートライフスタイル様)
ホットペッパー様と共同で、投稿キャンペーンの企画をインスタグラマーと共に行いました。若者の新しい飲酒文化として「#初酒記念」をインスタグラマーと共に企画し、投稿キャンペーンを実施するとともに、abemaTV等でのプロモーションを展開しました。
まとめ
インスタグラマーの活用の目的は多岐にわたり、それぞれにおいて適切なインスタグラマーの選定やディレクションが必要です。インスタグラマーの活用を検討する企業はどのような目的でインスタグラマーを活用し、それぞれに対して適切なKPIを設定する必要があります。