ビジュアルの美しさや定期的な新機能の追加で、日本でもここ数年で大きくユーザー数を伸ばしているインスタグラム。確かに使い勝手が定期的に変わるのは一般ユーザーとしては新鮮で飽きないかもしれませんが、効果的に活用したいビジネスユーザーや、外部で統計を取っている担当者からすると、唐突な仕様の変更は頭を悩ませますし、活用が億劫になってしまってついつい出遅れてしまいがちです。ですが、新機能の追加は必ずしもビジネスユーザーにとって悪いものとは限りません。最近では公式のアナリティクス機能であるインサイトがインスタグラムのアプリから使えるようになるなど、インスタグラムはビジネス向けの使い勝手を意識した仕様の変更が見られるようになってきました。
今回はサイクルの早いインスタグラムを少しでも効果的に活用できるよう、インサイト機能についての解説と、それを活用したインスタグラムにおけるKPIの設計方法をご紹介します。
目次
1.インスタグラムに慣れないうちはインサイト機能で十分
まずはビジネスプロフィールを用意しておく
2016年の12月に導入された、インスタグラムの公式アナリティクスであるインサイト機能は、外部アプリでしか得られなかった情報とほぼ同等のデータを公式インスタグラムアプリの中で見ることができる、誰もが望んでいた機能です。これまでは外部のアナリティクスを参照する以外にデータを取得する方法がなかったのですが、この機能の追加により無料でデータをいつでもワンタップで見ることができるようになりました。
それでは実際にインサイト機能を活用してみましょう。
すでにインスタグラムでビジネスプロフィールを作成済みの場合は、プロフィール画面を開くとフォロー/フォロワー数が表示されている上部に棒グラフのアイコンが表示されていますので、それをタップしてみましょう。するとそのアカウントのアナリティクスを参照することができます。
まだアカウントをビジネスプロフィールに変更していないという方は、Facebookページを持っていれば簡単に変更できますので、あらかじめ行っておきましょう。
変更方法はこちらの公式ページでわかりやすく解説されています。
インサイト機能で確認できる情報
インスタグラムの公式インサイト機能で確認できる情報は、以下のものになります。
- インプレッション数=投稿が閲覧された回数
- リーチ=投稿を閲覧したユニークユーザーの数
- ウェブサイトクリック=プロフィールに登録されているウェブサイトのアドレスをタップしたアカウントの数
- フォロワーアクティビティ=フォロワーが1日あたりにインスタグラムを閲覧する平均回数
- 動画の再生=動画が再生された回数(約3秒以上の視聴で一回とカウント)
- 保存=投稿を保存したユニークユーザーの数
- フォロワーについての性別・年齢・位置情報
上記に加えて、投稿ごとのアナリティクスを確認したい場合は、投稿した写真のページへ行き、同じく棒グラフをタップするとインプレッション数、リーチ、エンゲージメントを確認することができます。
エンゲージメントは投稿に対して行われた「いいね!」やコメント、保存された回数を表しています。
また、同じく昨年追加された機能として「ストーリー」機能があります。ストーリー機能を用いて投稿された動画や画像は、普段の投稿機能とは違い、24時間で削除されてしまいます。元々はインスタグラムではなくスナップチャットが広めたSNSのスタイルであり、この若年層を中心に爆発的な流行を見せたのに便乗し、インスタグラムもその機能を追加したところ、本家同様のヒットを見せています。最近(2017年4月現在)ではFacebookにも同様の機能が追加されていたのが確認できます。世間を賑わすストーリー機能に関しても、24時間以内であればインサイトを確認することができます。
とはいえストーリー機能も含め、一見自社のアカウントにとって必要でなさそうな情報や機能がここまで増えてしまうと、何を参考にして数字を出せばいいのかわからなくなる方も多いかと思います。
次の章では今紹介したインサイトの機能を活用した、KPIの設計方法についても少し解説を加えていきます。
2.インサイト機能を用いたKPIの設計方法
まず最初はフォロワー数を意識する
SNSの運用を開始したら、まずはフォロワー数の増減を定期的に観測するのが良いでしょう。
インスタグラムがツイッターやfacebookなどの他SNSと大きく異なるのが、フォロワー以外のユーザーに投稿を伝える手段が限られているという点です。
ツイッターはリツイートによるバズや拡散、facebookはシェアによる拡散がありますが、インスタグラムは基本的にはフォロワーの中で完結するコミュニテイがメインになっています。
そのためいかにフォロワーを獲得していくかというのは、インスタグラムにおいては特に重要になってきます。フォロワー獲得のための施策、そしてその取り組みがきちんと数字として現れているかを確認するためにも、定期的にインサイトを確認して、フォロワーの増減を把握しておくようにしましょう。
ターゲットが明確なら、それに準じたデータも活用する
自社アカウントのターゲット層が明確なら、もちろんそれに応じた数字を確認することも重要です。
インスタグラムはfacebookと連携しているため、性別や年齢、地域のような詳細なデータも確認することができます。
ターゲットに設定しているユーザーの数はどれくらいなのか、また彼らを増やしたい場合にはどういった対策を取ればいいのかなど、データやターゲットに応じた運用方法を考えてみると良いでしょう。
肝心なのは「この数字さえ見ておけば良い」というわけではなく、「どの数字が自社のアカウントを効率よく動かす指標になるか」というところを見極める点にあると言えます。
3.おわりに
前述の通り、インスタグラムはSNSの中でも変化の著しいものに分類され、常に活用していなければ、なかなかつかみどころを見つけるのが難しいSNSであるとも言えます。インスタグラムを活用する上で、常にアップデートや新機能について敏感になり、日頃から情報収集を意識して行うことが大切です。