Instagramを用いた広告展開やキャンペーンを実施することに関心はあるものの、自社の商材とプラットフォームがマッチしているかどうか確信が持てないという方は、少なくないのではないでしょうか。
今回はInstagramでのキャンペーン展開に適した商材について解説します。また、併せてInstagramに広告を出稿した際に効果を最大化するための施策の例もご紹介します。
Instagramに適した商材とは
2018年6月、Instagramは月間アクティブユーザー数が10億人を突破したと公式発表を行いました。
2017年9月には8億人、2016年12月時点での月間アクティブユーザー数は6億人、2017年4月時点では月間アクティブユーザーが7億人とされており、1年たたずに2億人ユーザー数を伸ばした計算となります。
日本国内でのInstagramの利用状況に目を向けると、2015年時点の男女別ユーザー構成は女性が65%、男性が35%との調査結果が存在しています。
2015年9月3日にトレンダーズ株式会社が発表した「女性のInstagram活用」に関する調査によれば、全体の四割の女性ユーザーが「Instagram投稿を見て食べ物・飲み物を購入した経験がある」とのことです。
同調査の対象となったのは、20代から40代の女性ユーザー500名です。調査によれば、約6割の女性ユーザーがInstagramの利用頻度を「ほぼ毎日」と回答しています。なおかつ、全体の81%の方が「素敵な写真を閲覧できる点」をサービスの魅力として挙げています
Instagramは女性を中心に人気を集めており、既に半数以上の女性ユーザーの方にとっては”日常生活の一部”と化した写真共有サービスと言えるのではないでしょうか。
Instagramをキャンペーンに活用する場合には、「素敵な写真を閲覧すること」に魅力を感じる女性がプラットフォームの主となるユーザー層であることを念頭に置く必要があります。
Instagramでのキャンペーン展開に適した商材としては写真を中心としたビジュアルとの相性が良い「レディース向けのアパレル」や「化粧品」、多くの女性ユーザーの方が投稿をきっかけとした購入経験を持つ「食べ物・飲み物」などが考えられます。
一方でビジュアルで魅力を伝えることが難しい金融系商品や投資広告、B to B向けの製品、高齢の男性向けのサービス等は、必ずしもInstagramでのキャンペーン展開に適した商材であるとは言えないでしょう。
Instagram広告を最大限に活躍するポイントは「ビジュアル」
2015年10月にfacebookは、日本におけるInstagramの利用実態をまとめた「Japanese on Instagram」を発表しました。同調査はInstagramが日本で公式に初めて発表した、ユーザー動向レポートとなりました。
調査はカンター・ジャパンが行いました。
同調査では、ユーザーがInstagramの企業アカウントに対して質が高く、面白い投稿を求めていることが明らかとなりました。
調査の結果は「内容が面白い(46%)」、「写真が高品質(34%)」が上位を占めている。また、投稿頻度やフォロワー数はあまり重視されていないこともわかる。
――Instagramは好きなもので溢れる空間/企業の投稿に求めるものは「量より質」 http://markezine.jp/article/detail/23277
調査を担当したカンター・ジャパンの中川直美氏は「タイムラインを汚したくない」という、Instagramのユーザーの特性について下のように語っています。
「たくさん写真を投稿するのではなく、一枚の素敵な写真を載せたい・タイムラインを汚したくないという思考が見られる」
――Instagramは好きなもので溢れる空間/企業の投稿に求めるものは「量より質」 http://markezine.jp/article/detail/23277
プラットフォームの特性を踏まえると、「フォトジェニック」な写真を継続的に投稿することが企業アカウントの話題作りには望ましいと考えられます。
また前述の通り、女性ユーザーが多いことから、撮影対象となる商材はアパレルや化粧品、フードなどが適しているでしょう。
投稿頻度の高さはそれほど重要ではないことも、Instagramの特性の一つです。
短時間に連続して投稿を行うことは、一つ一つの投稿に対するいいね!の数が伸び悩む原因となりやすいため、注意が必要です。
日常品に関する投稿は興味喚起につながりやすい
Cyber Buzz社が2016年5月20日に発表した「Instagramの投稿を元にしたユーザーの購買意向」に関する調査では、日常的に利用する嗜好品に関する投稿は、実際の購買行動につながりやすいことが明らかになっています。
「有名人」と「友人・同僚」別に購買意向の差を見ると、「有名人」では1位「美容関連」、2位「食品・飲料・アルコール類」なのに対し、「友人・同僚」では、1位「食品・飲料・アルコール類」、2位「美容関連」という結果になりました。投稿する人物により順位の差異があるものの、Instagramでは日常的に利用する嗜好品の方が購買意向に繋がりやすいため今回の結果になったと想定されます。
―― 女性650人のInstagramユーザーに向けて、 「商品投稿に関する購買行動」について調査を実施/女性Instagramユーザーの約9割が、投稿を見て商品を購入・検索 ~身近な友人の投稿は「購買」、有名人の投稿は「検索」に~ https://www.cyberbuzz.co.jp/2016/05/650instagram-instagram7.html
また有名人による投稿は、検索行動に繋がる割合が高く興味喚起の効果が強いことも明らかとなっています。
キャンペーンの目的やアカウント運用の狙いから逆算することで、「インフルエンサーを活用し、ターゲットの検索行動に繋げる」「一般参加が可能なフォトコンテストを実施する」といった有効な施策のプランが浮かび上がってくる可能性が高いのではないでしょうか。
まとめ
Instagramのメインとなるユーザーは、「素敵な写真を閲覧すること」に魅力を感じる女性です。
写真を中心としたビジュアルとの相性が良い「レディース向けのアパレル」や「化粧品」、「食べ物・飲み物」に関する投稿はプラットフォームとの相性が良いと考えられます。
ユーザーは企業に対して、質の高い投稿を求めていることから日常的な嗜好品に関するフォトジェニックな投稿を心がけることが重要です。
また、キャンペーンの目的から逆算することで必要に応じてインフルエンサーを活用することも有効です。