今最も注目を集めているとされるSNS、インスタグラム。日に日にユーザーが増えて行く中で、企業も積極的にインスタグラムを用いたキャンペーンを行うようになってきました。
特に意識せず使っていてもインスタグラム上では毎日何かしらのキャンペーンを目にしますが、今回はEC系のインスタグラムアカウントが行なっているキャンペーンで面白いものをいくつかご紹介していきます。
これからインスタグラムを活用していきたいと考えているECサイト運営者の方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
ハッシュタグ機能でスターと共演。Calvin Kleinのキャンペーン
数多くのモデルやアーティストを起用したことで一躍人気に火がついた、アンダーウェアをはじめとした衣類を取り扱うCalvin Klein(カルバンクライン)ですが、人気の理由は広告に#mycalvinsというハッシュタグを取り入れたことにあります。
https://www.instagram.com/explore/tags/mycalvins/
ハッシュタグ機能はコメント欄を利用して写真と関連する人やものを記入し、文言の最初に#を入れることで世界中の人たちと同じ#のついた投稿を共有しあえる機能なのですが、カルバンクラインはこのハッシュタグを積極的にユーザーに活用してもらうことで、スターを起用した派手な広告に加えて口コミでのバズも起こすことに成功し、見事にここ数年の中では最高レベルの広告効果をあげました。
具体的な方法としてはいたってシンプルで、消費者にはカルバンクラインの服や下着を着てもらい、ハッシュタグをつけてインスタグラムに投稿してもらうだけ。
上でも少し触れましたが、カルバンクラインはもともとアンダーウェアに力を入れている企業ですので、そういった投稿をするときは自然と体の美しさが目立つ投稿が多くなり、自然と人の目をひきやすい投稿になるわけです。
またオフィシャルの広告でもアンダーウェアを強調するものが多く、ユーザーもまたその広告を意識した投稿をするため、ここにある種の循環が生まれていることがバズのきっかけと考えることもできるでしょう。
ユーザーがハッシュタグをつけるインセンティブとしては、現在は確認できませんが、以前はハッシュタグをつけて投稿した写真が公式サイトでスターたちと並んで紹介されていたこともあるらしく、それが強い魅力になっていたのではないでしょうか。
あるいはやはり体の美しさがものをいうキャンペーンですので、体に自身のある人たちがハッシュタグを通じてお互いにコンペティションを行うことのできる良い企画になっていることも大きいですね。
ギフトがもらえるキャンペーンは強い。東急ハンズのバレンタイン企画
こちらもハッシュタグ機能を活用したキャンペーンになりますが、先ほどよりもインセンティブがよりわかりやすい企画になっています。
具体的な内容としては #ハンズのチョコ活 というハッシュタグをつけてくれた人の中から秀逸な写真を投稿してくれた人にハンズのギフトカードを配るといった企画で、条件としては手(ハンド)でバレンタインを表現するという「ハンズ」と「手(ハンド)」をかけたジョークが目を引くものでした。
キャンペーン参加者にギフトを用意し、その上ジョークも交えて「ハンズ」というキーワードが頭に残りやすい企画は、カルバンクラインのようにスターを活用せずとも口コミでの反響やジョークで脳裏に残りやすいなど、広告の効果そのものは大きいと言えるでしょう。
商品一つ一つにアカウントを用意。タグ付け機能を活用したIKEAのカタログ
こちらは少し前の企画になるのですが、インスタグラムのタグ付け機能を活用したユニークな事例。
インスタグラムのタグ付け機能は写真に写っている人や場所のアカウントと自分の投稿をひもつけるために使うことが一般的なのですが、こちらの企画はまずカタログ単位でアカウントを作成し、さらに商品一つ一つにアカウントを用意してカタログ写真にそれらをタグづけするというものでした。
https://www.instagram.com/p/oawyHfE1eC/?taken-by=ikea_ps_2014
https://www.instagram.com/ps_laptop_station/
実際に触ってもらうとわかるのですが、この方法を用いることで公式サイトに足を運んだり、わざわざ商品をリストの中から探さなくとも直接商品のアカウントへアクセスし、詳細を見ることができるため、IKEAらしいスマートなイメージを保ちながら商品紹介ができるというわけです。
ユーザー参加だけがインスタグラムの使いかたではなく、インスタグラムの様々な機能を有効活用することでも人の目を引くことができるという、良い事例でしょう。
インセンティブとクリエイティブとムーブメント
インスタグラムを用いたキャンペーンを考えるときには「参加のハードル」を下げることが大切です。そのためには次の3点が重要となります。
- インセンティブ
- クリエイティブ
- ムーブメント
「インセンティブ」は、強力な参加の動機づけとなるだけでなく、友人に勧めるきっかけにもなるので重要な要素となります。
「クリエイティブ」は、参加者が実際に投稿する写真がどれだけ魅力的でオリジナリティを出せるものであるかという点です。フォトジェニックでない投稿を強いるキャンペーンはユーザーのタイムラインを汚すことになり、参加のハードルとなります。
「ムーブメント」は、そのキャンペーンに多くの人が参加していればいるほど、その参加ハードルは低くなるということです。キャンペーン初期にムーブメントを作るために他の広告施策と連動させたり、インフルエンサーを利用してムーブメントを作る等は非常に有力な手法です。