企業やメーカーにとって今やかかせない自社製品のブランディング、PRのフィールドとなっているInstagram。この記事では、海外の企業・メーカーによるインスタアカウントをご紹介し、インスタグラム運用のお手本になるポイントをピックアップしてご紹介していきます。
目次
海外の家電企業、メーカーの有名アカウント
Dyson @dyson
「吸引力が変わらないただ一つの掃除機」というフレーズが日本でもお馴染みの家電メーカー、ダイソンのインスタグラムアカウントです。近年では掃除機だけではなく、中央が大きく開いた扇風機なども話題になっています。
画像は新製品のヘアドライヤーの紹介をインスタグラムで行った際のもので、新商品のお披露目と、従来のヘアドライヤーとは大きく異なる構造を見事に活かしたユーモアのある投稿になっています。
企業やメーカーのインスタアカウントにおける商品紹介を兼ねた投稿は、ユーザーのいいね数などの反応から自社商品に対する期待値がザックリと見えるため、特にメーカーにおいては自社商品の投稿は重要なポイントと言えます。
フォロワー数が多いアカウントでは、投稿へのリアクションも大きいため自社のファンを含めたユーザーがどのような商品を好むのかという判断材料(データ)を集めるための窓口になります。
また、投稿に対していいね!などのリアクションを行ったユーザーがどのようなハッシュタグを普段から利用しているのか、どのようなユーザーをフォローしているのか分析していくことで、フォロワーを含めた自社商品に興味関心のあるユーザーがどのような競合の製品やハッシュタグに引かれているのかという情報収集を行うこともできます。ですので、企業やメーカーにおいて自社製品の投稿を行うことは基本的なことであると同時に、重要なポイントであると言えます。
海外のファーストフード企業、飲料メーカーの有名アカウント
マクドナルド @mcdonalds
世界的に有名なファーストフードチェーンのマクドナルドのInstagramアカウントからは学ぶことが非常に多いです。
マーケター目線でみると1つ1つの投稿に意味があり、目標を立てて試行錯誤している姿が伺えるタイムラインになっているように感じます。
マクドナルドのインスタグラムのタイムラインは非常にユニークでアイデアの宝庫と言えるタイムラインです。
新機能へのスピード感や効果測定・検証の姿勢はぜひ取り入れたいところです。
例えば上記のような動画投稿を例として挙げると、2013年のローンチ開始当初の投稿では10秒以上の比較的長めな動画を投稿していました。
その後、10秒にも満たないわずか5秒程度の見やすさを重視した動画へシフト。よりインスタグラムのタイムラインでの見やすさを重視した投稿で、激しい音楽と共にめまぐるしくシーンが変わる動画、大人しい印象でストーリー仕立ての動画を投稿するなどユーザーの反応を検証している様子が見て取れます。
その後、ストーリー仕立ての投稿の反応が良かったことで何本ものストーリー仕立ての動画を配信し、最近ではループ動画やミニチュアサイズのハンバーガー(マイクロマック)を作成する動画などユニークな表現でファンを飽きさせない投稿を行っている点は、ぜひとも取り入れたい運用方法だと言えます。
ペプシ @pepsi
海外の飲料メーカー、pepsiのインスタグラムアカウントでは思わずペプシを飲みたくなってしまうようなシチュエーションや、シズル感を重視した投稿が多い印象です。
特に飲料メーカーの場合、自社製品が数百円で買える手軽な商品であるため高単価商品と比べて購買行動が起こしやすいことから、シチュエーションやシズル感を重視することは非常に大切なポイントであると言えます。
こうした自社商品の強みを上手く投稿に反映し、アカウントの運用に繋げている点が学べるポイントと言えます。
海外の自動車企業、メーカーの有名アカウント
フォルクスワーゲン @volkswagen
海外でも日本でも有名な高級車メーカー、フォルクスワーゲンのインスタアカウントでもやはり近年増加してきている動画投稿が目立ちます。
動画投稿の利点は、静止画と比べて多くの情報をユーザーに届けることができること。そして、見ているユーザーを飽きさせないこと。更に、自由度の高い表現やPRが行えることです。
上記の動画はインスタグラムへの投稿ではやや長めの尺ですが、高級自動車メーカーならではの高級感がある動画構成となっています。
また、自社メーカーや自社企業の投稿をインスタで行う最大のメリットとして、自社のファンやアカウントを見たユーザーに対して何のPR費用もかけずにまるでCMのような動画を視聴してもらえる機会を与えることができることです。
これは自社企業のアカウントにおけるファン数(フォロワー数)が多いほどメリットの最大化が図れる、SNSならではのPR方法であるといえます。
同時に、露出機会の多いハッシュタグを利用するなどで自社のファン以外のユーザーにも投稿を見てもらえる機会が作れることもメリットといえるでしょう。
海外のカメラメーカーの有名アカウントご紹介
Cannon @canonuk
日本でも有名なカメラメーカーであるCannonのUKアカウントでは、プロフィール欄を利用してユーザー投稿を促しています。
SNSの運用は誰でも簡単に始めることができメリットも多いため、ぜひ運用しておくべきものではありますが、無名の企業やメーカーが1からフォロワーを増やしていくとなると、それはもう途方も知れないような時間と労力が必要になります。
自社アカウントによる投稿だけでは、よほど自社が有名な企業やメーカーであるか自社製品が有名な製品だという場合でない限り、投稿できるペースやフォロワー拡大にかかるヒューマンリソースは大きくなります。
そうした手軽に始めることが出来るメリットと、人的工数がかかるデメリットが見合わないことでSNSアカウントの運用を止めてしまったり、継続して投稿するモチベーションが続かないというケースは良くあることです。
こういった場合にぜひとも取り入れて欲しいのは、プロフィール欄に自社のタイムラインを見たユーザーに対するメッセージを入れておくことです。
CannonUKを例に挙げると、プロフィール欄に#liveforthestory を入れて写真を投稿するようにユーザーに促しており、実際に#liveforthestory でハッシュタグ検索を行うと1.7万件もの投稿が出てきます。
Instagramでは写真に自社アカウントへのタグ付け(自社アカウントへの導線)が行えるため、例えば#liveforthestory 全ての投稿に自社アカウントへのタグが付いていれば、自社アカウントの投稿の他に1.7万もの入り口ページを持つことが出来たことになり、その影響力は非常に大きいものです。
また、こうした手法を行う場合は上手くユーザーが投稿してくれる環境作りがポイントになります。
CannonUKなどカメラメーカーのインスタアカウントでは、フォトコンテストを開催してユーザーの投稿を促すという方法が多く見られますが、そういったキャンペーンでユーザーを集め、集めたユーザーを窓口にして更にユーザーを獲得していくことが、効率の良い運用に繋がるとともに自社のブランディングにもなっていくため、ぜひとも取り入れておきたい方法です。
最後に
今回はInstagramにおける海外の企業・メーカーの投稿から参考になるポイントをピックアップしてご紹介しました。日本の企業やメーカーによるインスタグラムアカウントも様々な手法、ユニークな運用によりユーザーやファンにアプローチを行っています。しかしながら、マーケティングにおけるムーブメントの中心はやはりまだまだ海外です。マーケティング担当者の方は是非、今回の事例を参考にしてみて下さい。