Instagramを活用した広告を展開する際、過去の成功事例を参照し、コミュニティの特性を把握することはフォロワーを獲得し、エンゲージメントを高める上で非常に有効です。
今回はInstagramを効果的に用いて、話題作りやフォロワーの獲得に成功した事例を3つご紹介します。
各事例から浮かび上がる、Instagramで話題を呼ぶ投稿に共通する特徴についても解説します。
目次
Instagramは発見コミュニティ
Instagramの特徴の一つは男性に比べ、女性ユーザーが多いことです。
食べ物・飲み物など日用品や嗜好品を、Instagramの投稿をきっかけに知り、購入した経験を持つ女性も多いことから、Instagramは日常生活の一部であると同時に新しい情報や新製品に関する「発見コミュニティ」として活用されていると考えられます。
Facebook Japan 執行役員 Head of Client Solutions Managerの田野崎 亮太氏は「Instagramは友人などの近況報告以上に、趣味に関連したアカウントや芸能人のアカウントなどを見る傾向が強く、「発見コミュニティ」として利用されている」と、Instagram広告の傾向について語っています。
リアルの人間関係に基づき、知人らの近況報告等に関する投稿を見るユーザーが多いことがfacebookの特徴です。
一方、Instagramでの閲覧行動はよりユーザー自身の興味・関心に強く根ざしています。
ユーザーの興味や関心を満たした上で、新たな情報や一面を知ることに繋がる「発見」を提供する投稿を行うことが、Instagramを通じたキャンペーン展開では非常に重要です。
芸能人などインフルエンサーを活用した広告のほか、Instagramで着実に成果を上げているのがアプリに関する広告です。
特に『メルカリ』に代表されるフリマアプリの広告は、自分が関心のある商品を他の消費者と直接やり取り出来ることから「掘り出し物」を「発見」する要素が強く、Instagram広告との相性が良いとされています。
「見つけた人が自慢したくなる」投稿が効果的
「発見コミュニティ」であるInstagramでの広告キャンペーンは、企業アカウントや起用したインフルエンサーの投稿を「見つけた人が自慢したくなること」が重要です。
見つけた人が自慢したくなる「発見」感覚のあるインフルエンサーの投稿の一例としては、オフショットが挙げられます。
俳優・高橋一生氏によるInstagramを新規に立ち上げたことで話題を呼んだ「キリン 旅する氷結®」はオフショットを用いたInstagram広告の成功例です。
高橋一生氏のInstagramアカウントは、「キリン 旅する氷結®」のTVCMへの起用が発表される前段階で開設され、高橋氏が初回投稿に自撮りを掲載したことから「高橋一生、公式インスタグラムを開設」とニュースとなり、話題を呼びました。
あえて期間限定のInstagramアカウントを開設して高橋さんのファンが見つけた時に嬉しくなるようなオフショットを掲載しています。もちろん高橋一生さんが個人で始めたものだと誤解を生み、世の中を騙すようなことは避けたかったので、きちんと期間限定のプロモーションである旨をプロフィール文に記載しました。情報感度の高い層を意識して『見つけた人が自慢したくなる』というシチュエーションをユーザーのスマホの中に作り上げていったんです。
出典:常識を壊す王道的アプローチ。KIRINデジタルマーケの『個をマスにする』施策コンセプト
一般ユーザーの活用法に近づけることで、親しみやすさがアップ
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映画・ドラマカテゴリのInstagramアカウントではスマートフォンで撮影したような写真を用いて、一般ユーザーの活用法に近い、親しみやすい投稿を行うケースが増えています。
映画『たたら侍』の公式Instagramアカウントは2017年2月1日〜2月28日にかけ、81件の投稿を行うなど、アカウント運用への積極性が見受けられます。
撮影のオフショットでは、写真に加え、限定動画を投稿するなどバリエーション豊かな投稿を行っています。
宣伝用パネルを活用し、出演者に加え、ファンが映った写真を投稿していることも特徴です。
平均いいね!率は25.48%を記録しており、非常に高い水準のいいね!率を保っています。
他のソーシャルメディアとの使い分けを意識する
Twitterやfacebookなど、Instagram以外の他ソーシャルメディアのアカウントを所有している場合は、投稿内容を使い分けることが効果的です。
日曜劇場『99.9-刑事専門弁護士-』は、プロデューサーの佐野亜裕美氏による撮影の裏話を中心としたtwitterが2016年6月時点で15万人近くのフォロワーを獲得するなど、好評を博しました。
Instagram開設時には、twitterにてアカウントを紹介したことで双方のアカウントが活性化しました。
Instagramは控室の様子やオフショット、エンドテロップの原稿の用紙、食事のケータリングの写真などをアシスタントプロデューサーの視点から紹介した上、会話文のような小気味良いハッシュタグを付けることで、ファンの心を捉え、33万人近いフォロワーを得ました。
まとめ
Instagramはユーザーの興味や関心に沿った情報の「発見コミュニティ」として利用されています。
従って、企業アカウントを運用する際には「見つけた人が自慢したくなる」投稿を行うことが重要です。
またスマートフォンで撮影した写真を用いるなどして、親しみやすさを演出したりtwitterなど他のソーシャルメディアと併用することも有効です。