
CEOのイーロン・マスク氏により名称変更や仕様変更など、さまざまな変革が行われているX(旧Twitter)。
その一環として、2023年7月から「クリエイター広告収益分配プログラム」が開始されました。
日本でも8月8日から導入されると、さっそく収益化額を公表するインフルエンサーが現れ始めてきています。
ただ、X(旧Twitter)ユーザー全員が収益化できるわけではありません。
では、収益化にはどのような条件をクリアする必要があるのでしょうか?
本記事では収益化のクリア条件などをお伝えいたしますので、企業のX(旧Twitter)担当の方も是非ご確認ください。
X(旧Twitter)収益化のやり方
まずは収益化の手順についてお教えしましょう。
① (スマホの場合)ホーム画面にある「収益を得る」をタップ
(PCの場合)「もっと見る」をクリックし「収益化」をクリック
② 「サブスクリプション」または「広告収益配分」で当てはまるほうに進む
③ 条件を満たしていれば、stripeアカウントとの連携をする
その際、メールアドレス、電話番号、氏名住所等、納税者番号(マイナンバー)、銀行口座などを入力する必要があります
(なお、収益はアメリカから送られてくるため、銀行によっては手数料で数千円取られる場合もあります。)
最低支払額に関して、かつては50ドルでしたが、現在は10ドルまで下がっています。
では次にクリアすべき「収益化の条件」を見ていきましょう。
X(旧Twitter)収益化の条件
X(旧Twitter)収益化にあたっては、「過去30日間アクティブ」や「18歳以上」という条件もありますが、他に大きく4つの条件をクリアする必要があります。
1. フォロワーが500人以上
まず、フォロワーが500人以上いる必要があります。
始めたてのアカウントや身近な友人だけフォローしているアカウントではなかなか厳しい数字かもしれませんが、
- プロフィール欄に「フォロバ100%」と書いているユーザーをフォロー
- フォローしてもらいたい人に積極的にいいねやコメントをする
などすれば数か月で達成できるでしょう。
2. 過去3か月の投稿に対するインプレッションが500万件以上
実は開始当初は「1500万件以上」という設定でしたが、途中で制約が緩和され、3分の1の数字になりました。
しかしそれでも、この点が最も厳しい条件でしょう。
毎日ポストしたとしても、1日当たり5万6千件のインプレッションが必要となります。
もちろんフォロワーが数十万人いるようなインフルエンサーであれば1日1件の投稿や何気ない日常の様子の投稿でも達成可能かもしれませんが、そうでない場合はなかなか難しい数字です。
そのため、投稿する内容を
- 話題性があることに関するポスト
- クスッと笑えるネタポスト
- ためになる情報が得られるポスト
などに限定していく必要があるでしょう。
なお、インプレッションについてはWEBブラウザ版でしか確認できないので注意しましょう。
3. X Premium(旧Twitter Blue)または認証済み組織にサブスクライブしている
最後は簡単に言うと、「X Premium(旧Twitter Blue)に課金していること」です。
価格は月々980円で、1年契約だと10,280円なので少しお得です。
またイーロン・マスク氏は、「500万回以上のビューを生むアカウントではX Premiumが無料となる」と発表しているため、これらの条件に当てはまる人はX Premiumに登録して収益化したほうがよいでしょう。
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4. 収益化できないジャンルに当てはまらない
たとえ上記の条件をすべて満たしていたとしても、投稿している内容によっては収益化の許可が下りない場合もあります。
例として
- 大麻およびその他の違法ドラック
- タバコ
- アルコール
- 武器
- ギャンブル(賭博・宝くじ・くじ引き)
- 暴力的なコンテンツ
- 死・自然災害・内乱・傷害
- 欺瞞的・潜在的に有害なコンテンツ
などが挙げられます。
大麻や武器などの違法なものについては説明不要かと思いますが、合法的に嗜むことができるタバコやアルコールなども収益化できないので注意が必要です。
X(旧Twitter)収益の分配
あらためて確認すると、このプログラムの名前は「クリエイター広告収益分配プログラム」であり、あくまで「広告に対する対価の支払い」となります。
具体的には、「返信スレッド、またはプロフィールから個人投稿を見た際、挿入された広告を見たことに対して支払われる」ものなのです。
そのため、フォロワーが多いから分配が多いというわけではありません。
もし、収益化プログラムに参加する人がバズった際、そのポストに対する返信スレッドや個人プロフィールを確認する人も増えるでしょう。
その際にスレッド内にある広告を通過したユーザーや回数が多いほど、対価が増えるというわけです。
実際にどのくらい稼げているのか?
では実際、インフルエンサーはこのプログラムでどれほど稼いでいるのでしょうか?
X(旧Twitter)では収益に関する口外を禁止していないため、日本人のインフルエンサーも収益を発表しています。
Twitterの広告プログラムが始まったので、登録してみたら2328ユーロ振り込まれてた。約36万6000円。
Twitterで呟いてるだけで暮らせる人が出てきそうですな、、、 pic.twitter.com/Yd0OBkE0a0— ひろゆき (@hirox246) August 8, 2023
上記の投稿は、人気インフルエンサーのひろゆき氏が公開した収益の詳細です。
日本円にして約36万円の収入ということでしたが、この額は2月~7月の6か月分の合算であり、ひと月当たりは約6万円ということになります。
Xの収益化条件をまとめました 1/2 pic.twitter.com/WbQHcqolsP
— ぬこー様ちゃん@絵日記毎日18時更新 (@nukosama) August 9, 2023
さらに人気漫画家のぬこー様ちゃん氏も6か月で31万円、ひと月で約5万円という計算になります。
さらに月間インプレッションが4億回であると明かしているので、単純計算でインプレッション1億回で約1万3千円となります。
X(旧Twitter)収益化によって今後気を付けるべき点とは
X(旧Twitter)が収益化したことにより、収益を受け取る人と受け取らない人が生まれ、収益の額にも差が出てきます。
そうなった場合、やはり「もっと多くの金額を受け取りたい」と思うのが人間でしょう。
しかし場合によっては、それが落とし穴になるかもしれません。
モチベーションが「収益」に変わってしまう
これまではいくらつぶやいてインフルエンサーになっても、そのつぶやき自体は無料(PR案件を除く)だったため、ある程度自由につぶやいていたはずです。
しかし収益化されると、投稿の動機が「趣味」から「報酬」に変わってしまい、結果として報酬がもらえない状態ではモチベーションが低下してしまう可能性があります。
その結果、あまりバズらないと「稼げなかった」という感想になり、投稿自体が楽しくなくなってしまう可能性があるのです。
無断転載投稿や炎上狙いの投稿が横行する
収益化で稼ぐためにはまずバズることが必須になりますが、中には手っ取り早くバズりたいと考える人もいるでしょう。
そういった人たちがやりがちなのは、すでに人気の投稿や画像・動画をさも自分かのように投稿する「無断転載投稿」です。
いくらバズった投稿であってもその投稿を知らない人もいるので、そのまま使って投稿すると再びバズる可能性があるのです。
他にも、悪質なデマなどによる「炎上狙い投稿」も増えるかもしれません。
特に炎上狙いの場合は反論がしたくなるため、コメント欄を一通り見ることが多く、結果として投稿者の利益を増やしてしまうことになりかねません。
かつてYouTubeでも「迷惑系YouTuber」が現れ問題になりましたが、同様の問題が起きるかもしれないのです。
ただX(旧Twitter)ではデマが広まらないようにするため、コミュニティノートを設置できるようになりました。
これは根拠のないデマが投稿された際、有識者が反論することによってデマの拡散を防ぐためです。
どちらにせよ、無断転載や炎上狙いの投稿はアカウント凍結にもつながりかねないので、避けるようにしましょう。
まとめ
X(旧Twitter)の収益化は多くのユーザーが注目しているテーマであり、これからもインフルエンサーを増やしていきたい限りはX(旧Twitter)側も積極的に行っていくでしょう。
収益化によって投稿のスタンスを変えたほうがいいのでは?と考えるインフルエンサーの方もいるかもしれませんが、まずは意識せずに今まで通りの投稿を心がけたほうがよいでしょう。
また、インフルエンサーにこれからなりたい方は、より効果的にインプレッションを稼げて、かつ胸を張って収益化できるような内容の投稿を心がけましょう!
もしX(旧Twitter)の収益化も含め、不安に思う企業の担当者の方がいらっしゃいましたら、こちらまでお気軽にご相談ください。
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